【AIって儲かるの?】AIビジネスの難しさと解決策:前編

このエントリーをはてなブックマークに追加


こんにちは、データデザイン部でディレクターをしております加藤です。

普段はお客様の事業課題に合わせ、AI・データ活用を軸に課題解決プロジェクトを推進したり、自社の新規サービスを企画、推進したりしています。
今回は下記の記事を見て実務から思うところが多かったので、自分なりの解釈をまとめた内容になっています。前編ではAIビジネスの難しさについて解説します。


この記事はこんな方におすすめです。

  • 自社データを使って新規ビジネスをしたいと思っている方
  • AI活用を検討し始めたけど、イマイチうまく行かない方
  • そもそもAIの価値に疑いを持ち始めた方

上記の悩みを抱える方のモヤモヤが少しでも晴れれば幸いです。

目次:前編

記事執筆のきっかけ

冒頭でも少し触れましたが、本ブログの内容はこちらの記事前編後編について、以下の文章が印象的だったので自分なりの解釈をまとめています。(イタリック体の文章はすべて引用です。)

①AI技術のコモディティ化

AIの世界では、技術的な差別化を実現するのは難しいものです。新しいモデル・アーキテクチャは、ほとんどがオープンでアカデミックな環境で開発されています。オープンソースのライブラリからリファレンス実装(事前に訓練されたモデル)が利用可能で、モデルのパラメータは自動的に最適化することができます。データはAIシステムの中核をなすものですが、顧客が所有していたり、パブリックドメインであったり、時間の経過とともにコモディティになることが多いです。また、市場が成熟するにつれて価値が低下し、比較的弱いネットワーク効果を示します。いくつかのケースでは、データを供給するAIビジネスに関連した規模の不経済性さえ見てきました。モデルが成熟してくると、「データ競争優位性の空約束」(日本語訳)で論じられているように、新しいエッジケースが増えるごとに、対応するためのコストが高くなる一方で、関連性のある顧客はどんどん少なくなっていきます。
出典:AI ビジネスと従来のソフトウェアビジネスとの違い(a16z)

 

②クラウド・インフラの多用と継続的な人的サポートによる粗利の低さ

クラウド・インフラの多用

クラウドの運用は従来のアプローチよりも複雑でコストがかかる可能性があり、特にAIモデルをグローバルにスケーリングするための優れたツールがないことが原因であると言われています。その結果、一部のAI企業は、信頼性、レイテンシ、コンプライアンスを向上させるために、訓練されたモデルをクラウドのリージョン間で日常的に転送しなければならなくなりました。
出典:AI ビジネスと従来のソフトウェアビジネスとの違い(a16z)

継続的な人的サポート

AIモデルの性能が向上すれば、人間の介入の必要性は減少する可能性が高くなります。しかし、人間が完全にループから切り離されることは考えにくいでしょう。自動運転車のような多くの問題は、現在の世代のAI技術では完全に自動化するには複雑すぎます。安全性、公平性、信頼性の問題もまた、人間による監視が必要です。これは、米国、EU、その他の国で現在開発中のAI規制に明記される可能性が高い事実です。
出典:AI ビジネスと従来のソフトウェアビジネスとの違い(a16z)

粗利の低さ

AI企業の財務データには驚くほど一貫したパターンが見られ、粗利益率は50~60%台であることが多く、同等のSaaSビジネスの60~80%以上というベンチマークを大きく下回っています。
出典:AI ビジネスと従来のソフトウェアビジネスとの違い(a16z)

 

③データはロングテール、完全なAIは絶望的

効率的なAI企業を構築する上での困難の多くは、多くの自然システムや計算システムで十分に文書化されているデータのロングテール分布に直面したときに起こります。概念の正式な定義はかなり濃密なものになりますが、その背後にある直感は比較的単純です。もしあなたがロングテール分布からデータ点をランダムに選んだ場合、そのデータ点はテールにある可能性が非常に高い、ということです。
出典:AI のロングテール問題を飼いならす: AI の経済性を改善するために (a16z)

データには、収集、処理、維持するためのコストがかかります。このコストはデータ量に比べて時間の経過とともに減少する傾向にありますが、データポイントの追加による限界利益ははるかに早く減少します。実際、この関係は指数関数的であるように見えます。ある時点で、開発者は主観的な改善を2倍にするために10倍のデータが必要になるかもしれません。処理性能を劇的に向上させ、コストを削減するムーアの法則に類似したAIを期待したくなりますが、それは実現していないようです。
出典:AI のロングテール問題を飼いならす: AI の経済性を改善するために (a16z)

AIビジネスの難しさ

上記引用はすべて、AIビジネスの難しさにかかってきます。全部で3点、以下に再掲してまとめます。

  • ①AI技術のコモディティ化
  • ②クラウド・インフラの多用と継続的な人的サポートによる粗利の低さ
  • ③データはロングテール、完全なAIは絶望的

それぞれについて、経験からの解釈を述べます。

①AI技術のコモディティ化

この内容にはとても共感しました。実際に弊社の支援もそのケースがありますが、世の中のほとんどのAIベンダーはオープンソースやAPIを活用して、それをプレスリリースにしています。日進月歩で進化するAI技術において、”独自の~”や”世界初の~”といった言葉はあまり信用できません。(個人の見解です。)

②クラウド・インフラの多用と継続的な人的サポートによる粗利の低さ

これはAIを提供する側として見ると、納得の内容です。データサイエンティストの単価が高い理由の1つに引用記事にかかれている背景もあります。

③データはロングテール、完全なAIは絶望的

これは引用文だけでは理解しにくいと思いますので、少し私の認識を説明します。
データのロングテールというのは、いわゆる働きアリの2:8の法則(働きアリのうち、よく働く2割のアリが8割の食料を集めてくるという法則)をイメージして貰えればわかりやすいです。
AIの学習のために必要なデータのほとんどはこの法則と同じ分布になっているとのことでした。(つまり、ある1つのAIモデルを作った時にそのモデルが80%の精度を出すのに必要なデータは実は全体の2割程度であるが、残り2割の精度を出すのには全体の8割を学習しなきゃいけない、ということ。そして、その分布から抽出してきたデータは残り2割の精度を出すためだけに必要なデータになる可能性が8割程度であるということ)

parato
[出典]「AI のロングテール問題を飼いならす: AI の経済性を改善するために (a16z)」より引用

8割の精度のAIは実現可能性は十分にあるが、完全なAIは絶望的であるということがわかると思います。実際、我々の案件もそうです。100%の精度のAIなど現状、この世には存在しません。その理由について、上記から少しでも理解いただけたら幸いです。

まとめ

以上で前編を終わりにします。次回、後編はAIビジネスの難しさに対する解決策についてお話いたします。

最後までご覧くださりありがとうございました。

【無料ウェビナーのお知らせ】
「DX/AI推進を担当しているがうまく進まない」方に最適なウェビナーを企画しました

事業会社がAIを導入するには、現場から経営層までが一体となり、熱量をもってAI開発に携わることが重要です。そしてその成功の鍵となる考え方が「UX first」です。
本ウェビナーでは、これまで弊社が事業会社とAIプロジェクトを進めて感じた気付きから、「UX first」で進める必要性についてお伝えします。

<ウェビナータイトル>
経営層も熱狂させるAI活用~成功の鍵は「UX First」~
<プログラム>
1.データデザイン事業のご紹介
2.AI活用が進まない理由とは
3.AI活用における「UX First」な進め方とは
4.なぜ「UX First」だとうまくいくのか?事例のご紹介
5.QAタイム

日時:2020年12月10日(木) 13:15~14:15
参加方法:Zoomで参加(参加費無料)

お申し込みはこちら

WRITER
Daiki Kato

ディレクター兼プランナー

加藤   大己 Daiki Kato

主にメーカーやサービス業のAI・データ活用プロジェクトを複数推進。また、新規AI・データ活用サービスの企画・推進も担当。 JDLA Deep Learning for GENERAL 2017

SNSで最新情報を発信しています

最新記事

ページTOPへ