自社にとってのAI/データ活用の位置づけと考え方

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はじめに

AIやデータに限らず、働く中で常々思うことは、「どのような考え方で社会、人、物事、自分と向き合うか」です。私自身、AI/データ活用でも「考え方」が重要だと捉えていまして、データを可視化、分析すれば望ましい成果が出るわけではないですし、AIもまた同様かと思います。

今回は、どのような考え方でAI/データ活用を進めていくべきか、これまでの経験とサイモン・シネック氏のゴールデンサークルを参考にお話しいたします。

目次

1.サイモン・シネック氏のゴールデンサークルよりWHY,HOW,WHAT

世界的に有名な動画なので、ご存じの方も多いかと思います。
2009年にTEDカンファレンスで行われたサイモン・シネック氏の講義「How Great Leaders Inspire Action」です。

講演の中で説明される「ゴールデンサークル」は、WHY,HOW,WHATの要素に分けられています。
また、WHYから話すことの重要性を説いています。

【サイモン・シネック氏の講義「How Great Leaders Inspire Action」】

取組の意義や意味、理由は重要ですし、これまでもブログの中で課題や目標設定の大事さを書いてきました。
まさにAI/データ活用においても、何のために、どのような効果を得たいから、何を解決すべきだから、AIやデータを使っていこうとするのかの整理や設定が必要です。

一方で、この記事で書きたいのは、WHYではなくHOWの部分です。

前述の動画ではAppleの事例が取り上げられており、AppleのHOWは「美しくデザインされて、簡単に使えて親しみやすい」と述べられています。

つまり、ここでのHOWとは、「アプリでデータを可視化する」といったことや「売上を過去データから回帰分析で予測する」といったことではありません。
自社にとって、AI/データ活用をどのように位置づけて考えるか、決めていくかが重要であると認識しています。

2.AI/データ活用にとってのHOW

具体的な事例に落とし込んで、「考え方」をお伝えします。

例えば自社の問題として、製品の検査作業が属人的で時間が掛かりすぎていることがあるとします。
そこで、課題は現在自社で行っている製品の検査作業の効率化と属人化が設定されます。
また目標は、作業時間の50%削減だとします。解決手段は、固定カメラで撮影された製品の画像データを入力するとAIが判定し、検査結果のデータを自動的に出力してくれるとします。加えて、検査不合格な製品はロボットにより、分けられるよう仕組みとします。

上記の例では、問題から課題設定や目標へと落とし込まれて、課題解決や目標達成のための手段まで書きました。そのため、WHYやWHATの部分が荒くはありますが述べられています。しかし、HOWとなる考え方は明らかになっていません。

システムの開発でいえば、「要件定義」にあたる部分もあるかもしれません。ただ、Appleの事例でいう「美しくデザインされ、簡単で親しみやすい」が要件とはいえないでしょう。ここで述べられているのは、より戦略的で他社と差別化された「コンセプト」です。

つまり、自社にとって単純に成果が得られる手段と捉えるのではなく、AI/データ活用を戦略的にみてどう位置付けていくか、どのような設計思想で開発するかが大事だと考えます。仮にAIモデルを開発せずに、あらかじめモデルが組み込まれたサービスを使うとしても、導入における位置づけは戦略的に行うべきです。

次項では、どのような考え方や位置づけ方があるか述べていきます。

3.位置づけ方や考え方の例

先ほどの「製品の検査作業」という事例を使って、位置づけ方や考え方を述べていきます。

HOWの部分を「誰でも簡単に素早く利用することができる検査ツール」と位置付けると、検査を担当する方の道具として、いかに使われて効果を発揮するかが重要になってきます。また、検査する人がいなくなるのではないこともわかります。

一方で「検査工程の完全自動化による競争力の向上」と位置付ける場合には、まったく人手をかけずに低コストで検査が行われることがわかります。逆にそうした場合、現行の作業を行う人はどのような業務を担うべきなのでしょうか。企業の経営方針として、検査に限らず業務プロセスの自動化を実現する仕事があるのだと推測されます。

2パターンだけではありますが、例を示しました。
AI/データ活用において、活用する組織や部門、また方針や状況次第でも位置づけ方や考え方が異なります。
これらを考え方のベースにおいた上で、具体的に何を作るのか、使うのかを決めていくことが肝要と捉えています。

4.最後に

今回は、「AI/データ活用の位置づけと考え方」と題して記事を書かせていただきました。

AI/データ活用の取組の中では、ビジネス、サイエンス、エンジニアリングと考えるべきことや学ぶべきことが非常に多い分野かと存じます。この記事でのHOWも、1要素に過ぎません。そのため、取組の成功には多様な知識や経験、能力を持つメンバーでチームを構成し、共に考えていき、推し進める必要があると認識しています。

弊社では、多種多様なAIモデル開発のご支援をしております。お気軽にお問合せ頂ければと思います。

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WRITER
Hiroki Nakano

ディレクター

中野   広基 Hiroki Nakano

ディレクター 中野 広基 Hiroki Nakano ニフティ株式会社 新卒入社。マーケティング部門にて、会員情報のデータ集計、分析 社内向け分析ツールの運営。 現在は富士通クラウドテクノロジーズにて、ディレクターの立場で上記に関連する様々なデータ分析プロジェクトを実行中。JDLA Deep Learning for GENERAL 2019 認定スクラムプロダクトオーナー

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