知っておきたいAIのキホン ~「AI活用の特徴を知ろう」【後編】~
こんにちは。データデザイン部でディレクターを担当しております八木です。
昨今、AI(人工知能)のビジネスへの活用領域は広がりを見せており、ビジネスへの活用を検討されている企業も多いのではないでしょうか。
前編では、AIの歴史的背景として、3回のブームについてご説明しました。
後編では、各ブームで生み出されたそれぞれの手法について、見ていきたいと思います。
前編のおさらい
- 今私たちがビジネスで活用しようとしているのは「弱い人工知能」
- ビジネスに人工知能を活用するには、課題に対し、最適な手法を用いることが大事
- 人工知能は、これまでに3回のブームが到来しており、各ブームによって生み出された手法がある
- 手法の特徴を知っておくことで、「どんな課題がAIで解決できるのか」が判断できるようになる
第1次ブームで生まれた「推論・探索」の特徴
ルールとゴールが決められている中で、与えられた知識を組み合わせ、新たな知識を推論し、ゴールにたどりつくための選択肢を探索していく手法です。
「環境」「状態」「行動」を定義できるタスクに有効な手法であり、環境と状態が知識として与えられた時、とるべき行動を推論し、そこから実際どの行動をとるのが最善なのかを探索します。
例えば、迷路を解く際にしらみつぶしに選択肢を探索してゴールにたどり着く方法や、チェスやオセロなどの対戦ゲームでなるべく自分が有利になるように選択肢を選んでいく方法などがあります。
- 【ビジネスでの活用例】
- 交通路案内サービス
現在地から目的地までのベストなルートを見つけ出すことに活用
第2次ブームで生まれた「知識表現」の特徴
事前に大量の知識をインプットしておく手法。特定の専門分野の知識を十分に得ることで、あたかもその分野の専門家のようなふるまいができるシステムのことを「エキスパートシステム」ともいいます。
また、対話のルールを事前に記述しておくことで、あたかも人間と会話しているように見えるチャットボットの先駆け的なシステムも開発されました。
- 【ビジネスでの活用例】
- コールセンターの自動応答、チャットボット
よくある質問と回答の事前インプットし、自動応答をさせる仕組みに活用
第3次ブームで生まれた「機械学習」の特徴
人間が意識的または無意識に見出しているパターンをデータで学習させることによって、未知の問題に対して、機械が自力でどのパターンに該当するかを見分けられるようにする手法です。
いくつかのパターンを予測する問題を「分類問題」、数値を予測する問題を「回帰問題」といいます。
予測したい内容がどちらの問題に該当するかによって、どの手法を用いるかが変わってきます。
また、機械学習は、データのどこに着目すべきかについては、人間が判断する必要がありますが、「ディープラーニング(深層学習)」は、データの着目点や、どんな特徴を利用すればよいかについても自動的に学ぶことができます。
- 【ビジネス活用例】
- 不動産価格査定、日経平均株価の予測、来客数予測
未来の予測に活用
手法の特徴を知っておくことが大事
過去のブームで生み出された手法がもう古くて使えないかというと、決してそういうわけではありません。
解決したい課題に合わせ、何の手法が適切か、手法の特徴を知っておくことで、「どんな課題がAIで解決できるのか」が判断できるようになります。
後編の今回は、各ブームが生み出した「手法の特徴」についてご説明しました。
どの手法が何に適しているのかを理解することで、ビジネスへの活用イメージが広がります。
AI活用のご検討にお役に立てば幸いです。
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ディレクター
八木 梨佐 Risa Yagi
不動産、放送事業者等、複数のAI・データ活用のディレクターを担当。 WEBサービスのPMや、経営戦略推進などの経験を活かし、お客様のAI活用のプランニングからプロジェクト推進を支援。