モック主導で、組織を変えられるきっかけを。 ~山ほど案件をこなして見えてきた推進方法~

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知りたいのは、どうやって社内を説得し、どのような順序で成功していったか

「その事例をもっと深く」AI系の各種セミナーで最近頻繁に聞かれるワードです。
これを見てくださる方が求めている事例」とは、どうやって社内を説得し、どのような順序で成功していったかのプロジェクト進行のプロセスなんだと考えています。
どういったデータを使って何%の成果があったという定番パターンから一歩踏み込んだものです。
そう感じさせてしまうほど、DXに代表されるAI/データ系プロジェクトの進行は厄介さを秘めています。

「部門間横断」だからどこから手を付ければいいか・・・。

AI/データ系プロジェクトの厄介さの元凶の1つは、「連係」して初めて機能するということです。
データの入力装置から、ためる場所、活用する場面、可視化・・・それらは横串・部門間連携といった言葉に繋がります。
一方で、「AIに浮かれている暇はない」だとか「なぜそれが失敗しないといえるのか?」、部門同士の連係を推進しようとすると、かえってそれぞれの組織の対立や考え方によって阻まれることも。
プロジェクトの難しさは、既存の組織構造のあり方を変え、繫げ、壊したりすることへの徒労感、無力感から生じるものだと思うのです。

大切なのは、現場の課題が解決されている感が伝わるモック

これらの問題に対して、大事なことは「具体的なイメージをもって、各組織の心理的負荷をいかに下げるか?」だと考えています。
そこで私が講座でも提案しているのが、モック先導でプロジェクトを進めていく方法です。
現場苦労積み重なった課題をスルーせず、解決するためにどんな手段を取ったのかが見える形で伝わるのがポイントです。
AIやDXというバズワードに左右されず、モックがプロジェクトのアンカーとなり、あくまで皆が便利になるシステムを入れる視点からブレないようにするのが大切なのです。
私は、以下のような形で、Adobe XDやInvision Studioを用いてモックのデモを作って打ち合わせに挑むことが多いです。

AIの判定部分のモック案

AIの判定部分のモック案

最初期のAIアプリのモック

最初期のAIアプリのモック

本記事では、「工場の危険予防をしたい」であったり、「生産ラインの最適化をしたい」などの大まかな課題感が掴めている方むけに、\モック先導でプロジェクトを進める3つのコツ\をお伝えします。

モック先導でプロジェクトを進める3つのコツ

モックで現場/経営の意思を見える形にし、必要な要素をTODOリストへ

モックの意義はその画面の良し悪しそのものよりも、使う人の操作フローを想像できるところにあります。
皆の意見が見えるモックに反映され、便利な操作フローを想像できることが何より心理的安全性を生みます。
そのため、モック作成をとにかくし始めることが大事です。操作フローが想像できない部分は、業務フローが見えていない部分となるため、見えていない部分をひたすらヒアリングしていきます。

例えば、モックを作り始めると、「画面は?端末は?」という課題にあたります。
ipadなのかandroidタブレットなのかPCなのかWeb画面なのかを洗い出す必要があります。
AIが判定を下すシステムであれば、結果画面で「で、この結果を100%信じるのか?現場で二重判断にすべきか?二重判断が現場の手間を増さないか?」などなど。

そこまで、疑問が到達すれば、ようやく各部門へのヒアリング内容、そして予算をとって実施すべき内容が具体化します。
先に述べたように、その課題にまつわるそれぞれの意見が反映されていること、無視されていないこと、それが見える形で体現されていることが大切です。

大きなプロジェクトだけど最初の勝ちは小さく、早く

モックを作っていて、やるべき作業を洗い出していると、TODOリストが肥大化していって、結局なにからやったらいいんだろう?という問題に逆戻りしがちです。
最初のトライアルの手法の1つは、少し改善すれば便利になる業務AIによる新しいトライアルを抱き合わせにすることです。
デジタル化することで便利になる作業を、AIがちょっとでも支援するとさらに便利になる。という立ち位置をとるわけです。
なぜなら、AIがクリティカルすぎる業務を最初にやると、データやシステム環境が整備されておらず失敗がちです。
AI開発に負担をかけすぎずに、今後どういうシステム構成を組む必要があるのかの小さなトライアルを行うことが大事なのです。
そして、トライアル内でもモックを作ってTODOリストを作って・・・という形で、課題を小さく分割していきます。

プロジェクトが苦しくなったら、モックを見て本来の目的を見つめ直す

AI系のプロジェクトはどうしても横串になりがちで、各部署の信頼関係がモロに出て、間に挟まれた担当者がやりづらくなる・・・こんなケースをたくさん見てきました。
詰まったら、モックを手に取り皆で、操作フローを再現する会をやってみてください。
大切なのは、どれだけ論点がズレようと、最後にかならず使うユーザーの視点に戻り、他の外野からでもアイディアが投げ込みやすい環境であることです。
最初に述べたようにモックはプロジェクトのアンカーとなるのです。
繰り返し書いていますが、煌びやかなAI系のシステム導入というよりも、ずっと積み重なっていた課題を解決するための仕組みを導入しようとしている認識が大事です。
現場のこれまでの不満、経営の描こうとしている世界観が「モノ」に反映されているほど、プロジェクトの協力度合いはまるで違います。
見えるモックが1つあることで、皆が自分事として課題をとらえてくれるのです。

まとめ

いかがだったでしょうか。モック先導でプロジェクトを進める3つのコツをお伝えしました。
結局のところ、社内のエンジニアがいなかったり色々根本的な問題はあれど、誰かが新しい歯車を回すキッカケを作らねばなりません。だからこそ、PowerPoint製でもなんでもよいので、その新しい仕組みをみえる形にして、小さく回して成功することが大切です。
このリモートワーク推奨の環境では、特にこのモックが活躍します。自宅でも、皆が同じ画面を実際に操作し、意見を交わせるからです。
私は、単価の高い技術屋としてのデータサイエンティストと同じくらい、こうしたアイディアや課題感の「共有」の仕方でモノゴトを切り開いていける人が大切だと思っています。

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WRITER

データサイエンティスト

吉田   孟弘 Takahiro Yoshida

画像解析が中心。メーカー・サービス業を主に担当し、高度な物体認識課題・デザイン・アート方面の生成課題まで幅広く担当。

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