注目されるSDGsでAIがキープレイヤーとなる訳

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私たちが生きる社会は急激に変動を続けています。その変動を特に示しているキーワードはSDGsでしょう。

現在、社会では本当に多くの社会問題が山積しています。そんな中、これかも長く社会が維持されていくように、私たちが協力していくことが求められています。

この記事では、注目が高まるSDGsとAIの関係性について解説していきます。

SDGsとは

SDGsは、Sustainable Development Goalsの頭文字を取った略称です。日本語では「持続可能な開発目標」と呼ばれます。

SDGsは2015年に国連サミットで「持続可能な開発のための2030アジェンダ」として採択された世界共通の目標です。2030年までに社会問題の改善を目指すために採択されました。

「誰一人として取り残さない( “Leave no one behind” )」がモットーとされており、世界のすべての人が関わる目標で、私たち一人ひとりがSDGsに積極的に関わっていくことが求められています。

SDGsでは17の目標と169のターゲットが掲げられています。SDGsの17の目標は、飢餓や貧困、健康だけでなく、働きがいやまちづくり、環境問題、ジェンダー平等など、さまざまな分野に広がっていて、それぞれの目標がターゲットとして具体的な指標が定められています。

なぜSDGsの目標達成にSDGsが重要なのか

AIの技術に注目が高まり、巨額の投資によって、急激に技術発展を遂げてきました。あわせて多くの分野がAIをはじめとしたデジタル技術によって変革を遂げています。

私たちが普段の生活でAIの恩恵を感じるシーンはまだ多くありませんが、特にビジネスの分野では、さまざまなところでAIによって働き方が変わっています。例えば、AI-OCRの技術によって私たちの手書き文字をほぼ正確にデジタルデータに変換してくれることにより、文字を入力する時間が大幅に削減されています。チャットボットも、膨大なお問い合わせに自動で対応することで、カスタマーサポートの仕事が変革しています。

SDGsの期限となる2030年にかけて、今後はさらにAIの存在感が増してきます。

Nature Communicationsによると、SDGsの17の目標のうち、16の目標にAIが重要な役割を果たすと言われています。特に重要なのは産業の生産性のさらなる向上です。SDGsでは気候変動などの環境問題が重要な目標として掲げられていますが、AIによって多くの産業で効率化が行われれば、環境への負荷を低下させながら、生活水準やビジネスをさらに向上できるでしょう。

例えば、小売店においてAIを活用した需要予測の精度が高まれば、商品廃棄が少なくなったり、在庫を維持するコストが低下します。食品などのロスが減ることで環境負荷が減るだけでなく、経済的にも効果があります。

このような予測に基づいた効率化や最適化は、農業や漁業、エネルギーの利用、医療など、SDGsの目標が関わる多くの分野で貢献します。

参考:Nature Communications ”The role of artificial intelligence in achieving the Sustainable Development Goals” 

一方で懸念点も残るAIと社会

上記のようにSDGsの達成において、AIの役割は非常に重要なものになっています。しかし、AI技術の可能性の高さに比例して、問題も生じます。

よく耳にされるのは、AIによる判断によって、何かの被害が生じた際の責任の所在問題です。AIによる判断によって、何かの動作が行われ、被害が生じた際に誰が賠償責任を負うのでしょうか。典型例としては自動運転車が交通事故を起こした際のケースが頻繁に議論されています。

また、AIによって差別が助長されてしまう点にも注意が必要です。SDGsでは差別がない「誰一人として取り残されない社会」が目指されていますが、膨大なデータを学習するAIは、特定の民族や人種、国籍などに対する偏見もあわせて学習してしまう可能性があります。

さらにAIをはじめとする情報技術が消費する電力量も問題になっています。
MIT Technology Reviewのレポートによれば、AIモデルを構築するために排出される二酸化炭素の量は乗用車5台分の製造から廃車までに排出される量に匹敵するとされ、消費する電力量の多さがわかります。

参考:MIT Technology Review「Training a single AI model can emit as much carbon as five cars in their lifetimes」

現在では、省電力化が進み「エッジAI」の研究開発も進んでおり、今後もAIの構築過程で消費される電力は少なくなっていくでしょう。しかし、膨大なデータを保存するデータセンターの消費電力量を含め、AIを開発する上で膨大な電力を消費し、最終的には地球環境にも負荷をかけていることを認識し課題もセットで考えていくことが重要です。

AIとSDGsのこれから

以上に述べてきたように、AI技術はSDGsが目指す持続的な社会を強烈にサポートするツールになり得ます。

一方で、膨大なデータを必要とするため、データ化が進んでいない分野では、まだ活用が進んでいない現状もあります。あわせて、モデルを構築する際の消費電力の大きさも問題点として挙げました。

そして何よりも重要なのはAIが差別を助長することがないよう、多様性が求められる現在社会において、正しいAI活用の形を検討していく必要があるということです。

経済的な原理だけでなく、人権を守り、倫理に則ったAI活用を進めていくには、AI開発者だけでなく、AIを活用する人の目的意識と議論が重要です。

SDGsのゴールである2030年に向けて、AIをどのように社会に組み込むか、より一層の議論が必要とされていくでしょう。

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  Asei AI/DX専門ライター「Asei」

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