人工知能は本当に賢いのか?【最終回】―決着―
【これまでのお話】
人工知能は本当に賢いのか?
人工知能は本当に賢いのか?【続編】-対決-
グレート猫太郎(日本) vs 地上絵猫(ペルー)、世界猫級タイトルマッチ
一体、地球上の誰がこの対決を予想出来たであろうか。
古代ナスカの人たちが聞いたら、「そんなことのために描いたのではありません」、と口を揃えて言うだろう。
分かっている。しかしAIには、「判別しなければならない」という機能、いや宿命があるのだ。
さて、勝負に際して、まずはグレートをトレーニングしなければならない。つまりトレーニング用の画像が必要である。
誰が準備するのか、と言ったら私しかいない。この時ほどオープンデータセットがありがたいと感じたことは無い。
念のため、インターネットのどこかに私の画風の猫データセットは無いか探してみたが、無い。ある訳が無い。
全力で20枚描いた。そして力尽きた。あとは画像データの水増しで凌ぐ。
斯くして、「鬼太郎の妖怪大図鑑」のような、デンジャラスな香りのする「画集」が出来上がった。
日本には猫島と呼ばれる島がいくつか存在するが、この猫達がいる島があるとしたら、島民は逃げ出したに違いない。むしろ島ごと爆破すべきである。
この時初めて私は、世の中には「超えてはいけないライン」というものがあることを知った。
そして、いよいよ試合である。
試合に際し、地上絵猫だけカラー画像だとハンデになるので、白黒の線画にして、猫部分だけを抽出した。
これでコンディションは互いにイーブンである。
そしてゴングが鳴った(推論コードを廻した)。
グレートの猫パンチは空振りし、勝負は一瞬で決した。
しかし、これはどちらの勝利と言えるのか。
外したグレート猫太郎は「負け」なのか? そもそもこの試合での「勝利」とは何なのか?
そこに、レフリー猫太郎が割って入った。
「だからお前らは猫じゃねぇって言ってんじゃん」
世に「愚か」という言葉がある。
これは基本的に人間を表現する言葉であり、例えばこれを機械に適用したりはしない。
つまり心を持つものに対しての「判定」を示すのではなかろうか。
AIの賢さを証明しようとする人間こそが曖昧であり、賢くもあり、時に愚かなのかもしれない。
※AIは用法・用量を守って正しく使いましょう。
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