【製造・物流×異常検知AI】~”異常”が少ない!異常検知の問題をCGによるデータ生成で解決~

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みなさん、こんにちは。データデザイン部でデータサイエンティストをしている深町です。
普段は画像を用いた、製造・物流業のAIやデータ活用を軸にお客様の事業課題を解決するプロジェクトを推進しております。

製造・物流業の現場では、製品やその原料の不良品・規格外品・破損などを検知して、それを取り除きたいというような場面って多いですよね。このような、不良品・規格外品・破損などの不都合な状態を検知することを『異常検知』と言います。

異常検知とは、期待されるパターンやデータセット中の他のアイテムと一致しないデータを識別することです。何を異常とするかは、課題・データの種類によりさまざまで、機械のセンサーデータから故障を検知したり、ヘルスケアデバイスのログから病気を検知したり、ネットワークのアクセスログから外部からの攻撃を検知したりなども異常検知にあたります。
今回の記事では、画像を用いた異常検知についてお話しさせていただきます。

画像を用いた異常検知AI

画像を用いた異常検知を行うとき、従来までは、高価な専用の機器を導入していたり、人が目視で確認したりしていましたが、最近ではAIを用いた異常検知をビジネスの現場に導入する事例も増えてきました。

事例1:
キユーピー AIを活用した原料検査装置をグループに展開

こちらの事例では、ポテトサラダに使用するいちょう切りの人参などの原料の検査を、人の目視による検査から、AIによる検査に変更した事例です。
人の目による検査は作業者の身体的負担が大きく改善していく必要がありましたが、変色や変形、さまざまな夾雑物など不良のパターンが無限あることから、従来の原料検査装置では高い精度を出すことが困難でした。
そこで、AIによる原料検査装置を導入し、運用を開始しました。

出典:食品企業キユーピーが始めた“AIによる原料選別”がすごい理由
—— グーグルが支援、食品メーカーの未来

事例2:
アース環境サービス・Luci・ゴウハウス AIによる捕獲昆虫の種の判定、個体数のカウント

こちらの事例では、製品への虫の混入を防ぐために行われていた捕虫器で捕獲した虫の種類の判定・個体数のカウントする業務を、AIに寄って行った事例です。昆虫の種により、製品への混入リスクや対策が異なるため、昆虫種の判定、混入リスクの評価には専門家による高度な分類が必要で、時間がかかっていました。
そこで、捕獲昆虫の種の判定、個体数のカウントAIを開発しました。


出典:防虫管理は守りから攻めへ、「世界初」のAIを採用した捕虫器が誕生

画像を用いた異常検知のタイプ

画像を用いて異常検知を行う案件は、大きく分けて以下の2つがあります。

  • 1.正常ではない状態を見つけ出す必要がある案件

     

  • 2.異常を見つけ出し、その異常の種類を判定する必要がある案件

     

1.正常ではない状態を見つけ出す必要がある案件は、たとえ正常な状態のデータをいくつか誤判定してしまったとしても、確実に異常な状態のデータをはじく必要のある案件です。例えば、工場のラインで製品の不良品をはじき、良品のみを残す場合などがこちらにあたります。事例1で紹介させていただいた事例はこちらに分類されます。
このタイプの案件では、正常な状態のデータのみを学習させ、正常値から遠いデータを異常と判断する方法を用いることが有効です。現場で収集しづらい異常データを用いずに異常検知を行います。

2.異常を見つけ出し、その異常の種類を判定する必要がある案件は、異常に何種類かタイプがあり、どのタイプの異常なのかを判定することが必要な案件です。事例2で紹介させていただいた事例はこちらに分類されます。
このタイプの案件では、異常をタイプ別に分類しないといけないため、高い精度を出すためには、異常それぞれのデータが大量に必要になります。
しかし、実際の現場では異常な状態が出現しづらいために、異常データが十分に集まらないことがあります。すでに稼働している工場で、大量の不良品が出ることはあまり考えられないですよね。大量のデータが必要だけど、異常データが大量に存在しないという問題は、異常検知案件で多くみられる問題です。

異常データがない!問題をどう解決するか?

異常データが少ない場合、当然ながらデータの取得から始めないといけません。
データの取得からはじめるといっても、現場で異常データが発生するのを待っているのでは時間がかかりすぎてしまいます。また、異常な状態を人手で再現することも可能ですが、手間も時間もかかりますし、人手で再現することがむずかしいこともあります。
我々がご支援させていただいているお客様にも、データの取得からご支援させていただいている場合もございますが、やはりその場合、通常の案件よりもAIのモデル開発までに時間がかかります。
このような場面において、より効率的にデータを取得する方法として、CGを用いたデータセット作成があります。

CGを用いたデータセットの作成

CGを用いてデータセットを作成する最大のメリットは、実際の現場で発生することが少ない、異常な状態のデータをCGで作り出せることです。

この画像のように、正常な状態のCGのモデルを加工することで、異常な状態を作り出していきます。3DCGソフトの上で異常を再現していくので、実際に実データを取得するよりも早くデータを収集できますし、人手で異常な状態を再現する方法より、簡単に精巧な再現を行うことが可能になります。
また、3DCGソフトの上で、データ取得の環境を自由に設定できるため、現実でデータを取得する際に行う、照明の調節・対象の物体の角度・対象の物体とカメラの位置などを変えて、毎回カメラで撮影していた工程を短縮することができるようになります。

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おわりに

今回は画像を用いた異常検知についてお話しさせていただきました。

異常検知案件は大きく分けると「正常ではない状態を見つけ出す必要がある案件」「異常を見つけ出し、その異常の種類を判定する必要がある案件」の2つがあり、後者の場合は、異常それぞれのデータを大量に集める必要があります。
現場で異常な状態のデータを取得するのは、時間も手間もかかり困難です。このような場面において、CGを用いたデータセットの作成が有効であることを紹介いたしました。

今後は、CGと現実の画像を組み合わせて学習に用いた場合の精度や、ワークフローについてなど、より詳細にご説明できればと思います。
最後までご覧いただきまして誠にありがとうございました!

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WRITER
Yuka Fukamachi

データサイエンティスト

深町   侑加 Yuka Fukamachi

AI・データ活用プロジェクトにて、前処理からモデリングまでのデータサイエンスを担当。 JDLA Deep Learning for GENERAL 2019 #2

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