【事業会社向け】スムーズな業務効率化プロジェクト企画の立案と社内政治

このエントリーをはてなブックマークに追加

2010年代にビジネス利活用の注目を集めたAIは、特に業務効率化の文脈で活用が検討され、さまざまな事例が生まれています。

今まで人的コストを投じざるを得なかった顧客対応業務や確認業務など、分野によってはAI で業務の大幅な効率化をはかることが可能です。

この記事ではAI を活用して本来の目的である業務効率化をスムースにはかるためには、どのように企画を立案し、どのような調整をはかればよいのか解説します

そもそもなぜ業務効率化が必要なのか

AI活用では、その目的として「業務効率化」が挙げられるケースがその多数を占めています。

業務効率化は、その対象の仕事が高効率になることでどのようなメリットを得て、リスクを排除できるのかを設計することが重要です。

では、そもそもなぜ、業務を効率化していくことが重要なのでしょうか。

主に以下が理由として挙げられます。

  • 連続的な提携作業で人件費が高くなり経営課題となっている
  • 作業時間が長く、改善やイノベーションを起こす機会損失が起きている
  • 定型的な作業の負荷が高く離職率が高い

業務効率化は、経営視点では、人的なコストの削減が大きな目的となります。一方で現場のスタッフからすれば、人的コストの削減をしたいと言うニーズは大きくありません。

経営層は、粒度の大きい課題を扱います。ただ単に業務を効率化したいというニーズが生まれたとしても、現場ではそもそもその業務が必要ないケースなどさまざまなケースが存在します。

経営層の課題を理解しつつ、現場の温度感を探り双方に有効なアプローチを設計できれば、業務効率化は大きく前進するといえるでしょう。

特に重要なのは、現場の誰が何に困っているのかを理解することです。経営会議では社内の課題が常に議題として定量的に扱われます。現場では、それぞれの部署ごとに定量的に扱うことのできない課題も多く存在します。

まずは、現場や経営層を含め、どのような課題感があるのかを把握し、目標を設計することが重要でしょう。

  • 現場の手を煩わせて非効率な手作業が存在していないか?
  • 手入力がメインで入力ミスや時間がかかっているデータはないか?

などの課題を解決するだけでも、工数の大幅な削減やデータのリアルタイム反映や正確性の確保など経営判断を下すうえでも重要な課題解決につながっていきます。

業務効率化の企画の進め方

業務効率化のプロジェクトにおいて最も重要なのは企画のプロセスです。適切な業務の姿を設計しなければ、いかに素晴らしい開発プロセスを経ても、結果を産むことはできません。

まず重要なのは会社の方向性を理解する=経営陣が認識している経営課題を理解することです。

業務効率化ではトップダウンの意思決定が重要です。現場から小さく積み重ね、業務効率化のプロジェクトを大きくしていくケースも存在しますが、時間を要してしまうケースが多く、トップダウンに意思決定がなされることで、他部門との交渉もスムーズにいきます。

業務効率化では、まず経営課題として、人的コストや離職率などの問題が経営陣から認識されているかを確認します。仮に経営陣からもその課題が理解されていなかった場合、具体的にどれほどの機会損失を被っているのかを換算して、数字で示し、改善の意思決定を仰ぐことが重要です。

既に経営課題として業務効率化のニーズが経営陣で高まっていた場合は、実際にそれがどれほどの機会損失を招いているのかを確認することで、業務効率化後の成果が算出しやすくなります。

機会損失と合わせて以下も確認するとさらに具体的なアプローチが可能です。

  • 1人あたり月にどれほどの工数をその業務に割いているのか
  • その業務は本当に必要なのか
  • 現存の技術で解決可能なのか
  • 同様の事例はあるか

以上がざっくりとして経営陣へのアプローチです。なお、業務効率化を担当する部署が、末端組織で、経営陣に対して直接的なアプローチができない場合、ミドル層に対してアプローチすることが重要です。ミドル層へのアプローチも難しい場合、現場で小さく成果を生み出し、その成果をもとに交渉するなど、やや社内コミュニケーションが長期的になります。

経営陣の課題感を認識できれば、その課題がなぜ存在しているのかを確認するため現場に積極的に足を運びましょう。

経営陣だけが課題を感じていても、現場がメリットを感じなければ業務効率化は進みません。現場がどのような悩みを持っているのかを「いつ」「どこで」「なにに」「どれくらい」「なぜ」などの項目で具体的に把握しましょう。

そこで重要なのがインタビューです。インタビューでは、現場の従業員がどのような課題を認識しているのかをヒアリングします。

またヒアリングをしてもその従業員が抱えている課題が、その他の従業員も認識しているとは限りません。まずは可能な限り多くの従業員と対話し、現場の課題感を探り、粒度の大きい課題を探していくことが重要です。

次に行うのが課題のリストアップです。ヒアリングを通して得られた課題をいくつかの項目でスコアリングしながらリストアップします。

主な項目は以下です。

  • 現場の深刻度
  • 機会損失の推定金額
  • 技術での解決可能性
  • 解決に必要な技術

以上をもとに現場の課題を洗いざらいリストアップしましょう。

社内政治はどのように工夫すればよいか

業務効率化など、社内環境を変革していくには社内政治が何よりも大切です。新型コロナウイルスの感染拡大に伴うリモートワークの普及など、現在、社内で部署を超えたコミュニケーションが生まれづらくなっている現状があります。

業務効率化のプロジェクトを企画する際には、そのプロジェクトに関わる社内の従業員それぞれの視点に立つことが重要です。

例えば、AIの領域では、経営層の理解が得られずに業務効率化のプロジェクトが進まなかったという事例がよく聞かれます。一方で、経営層の視点になってみましょう。とても大きな責任を抱えながら会社の舵取りをしており、そう簡単に業務を変革していく意思決定がなされづらい現状があります。

一方で、DXの時代となり、変化の速度がさらに激しくなっている今、迅速に意思決定を行い、変改し続けていくことが重要です。

そこで、経営層の不安を改善するべく課題を明示し、その上で数字を示して企業がどのように変わるのかを示すことで不安を和らげ迅速な意思決定を促せます。

一方で、現場の立場に立つことも重要です。トップダウンで決まっただけで現場の利便性が蔑ろにされた改善案には現場の反発が起きやすくなります。現場にとって、いかに利便性が高く、課題が解決するプロダクトなのかを示し、現場で使ってもらいながら、場合によってはチューニングを繰り返し、改善を繰り返していくことが重要です。

おわりに

「企画」というと自分のアイデアをいかに詰め込むか、最先端の技術を詰め込むかが重視されがちです。しかし、重要なのは社内でそのプロジェクトが評価されるように、経営陣や現場の気持ちになり、逆算した行動をどれだけとっていけるかです。

企画の仕事は、どれくらい社内の声を聞きに行ったかにかかっているといっても過言では有りません。

今一度、社内での自分のコミュニケーションのあり方を考え直し、相手の立場にたっても、進めたいプロジェクトを企画していくことが重要でしょう。

【建築業向け】事例ウェビナー動画のお知らせ

「DXをどのように始めれば良いのかわからない」「建設業におけるAI活用について知りたい」方に最適なウェビナーを企画しました。

建設業界では、人手不足を解消するために、DXによって作業の自動化や工数削減を実現するような取り組みが加速しています。
そこで今回、「DXの実践事例」や「成功するDXプロジェクトの進め方」について、伐採木の採寸から調書作成までを自動で行うアプリの開発に関わったメンバーが対談形式でお伝えしていきます。

タイトル:建設業におけるDXの実践例

視聴形式:動画配信(フォーム入力不要)

今すぐ視聴する

WRITER

 

  Asei AI/DX専門ライター「Asei」

AIやDXなどが専門のライター。累計執筆数500本以上。 「曖昧な技術を具体的に」を心がけ、トレンドに合わせてさまざまな視点から発信します。フリーのフォトグラファーも。

SNSで最新情報を発信しています

最新記事

ページTOPへ