民主化は訪れない? 2つの視点から見る、機械学習の民主化

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機械学習の可能性に注目が高まるにつれ、効率的に機械学習のモデルが構築できるツールが多く生まれてきました。

と、同時に多くの企業が「機械学習の民主化」を掲げ、機械学習の民主化がキーワードとなったイベントが開催されたこともあります。

この記事では、機械学習が民主化するのかどうかについて考察していきます。

機械学習の民主化とは

機械学習の民主化とは、ツールを活用することで、誰でも簡単に機械学習モデルを構築できる状態のことを指します。

民主主義とは、国民に政治の主権を委ねる国家体制のことを指しますが、機械学習の民主化ではデータサイエンティストではなくても、機械学習のモデルを構築できるという意味で活用されるケースが多くなっています。

機械学習モデルの構築は、統計学や工学を学んだデータサイエンティストの特権でした。多くのデータを解析するために、数式を組んでコーディングを行うなど、ビジネスサイドでは担いきれないものであり、機械学習モデルをイチから構築するデータサイエンティストの希少性は高く、機械学習プロジェクトの単価も高いことが特徴でした。

社会で数々の機械学習プロジェクトの導入が進むとともに、需要予測など似た(目的変数を持つ)ような事例が多くなり、機械学習モデルの構築がデータを投入するだけで実現できる項目が増えてきた

例えば機械学習モデルの構築ツール「datagusto」はデータを投入するだけで簡単に機械学習モデルが構築できるツールです。具材を入れるだけで料理ができあがる、自動調理器のように数字やデータを入れるだけで、自動でパパッと分析できることが特徴です。翌日の来客数の予想や、見込み顧客のリサーチ、提案する商品の検討などの目的にあったレシピが与えられ、そのレシピに応じたデータ(素材)を投入することで、簡単に機械学習モデルを構築することができます。

プログラミング不要の分析Webサービス「nehan」は、誰でも簡単にデータ分析ができる未来を創るために、複雑な前処理も、高度な分析手法も、データの見える化も、簡単操作で実現できるツールです。

以上に掲げた以外にも多くの機械学習モデルの構築やデータ分析を自動化するツールが提供されています。

機械学習は民主化していないという見方

機械学習の民主化が声高に叫ばれるようになってから数年がたった今、機械学習は民主化しているのでしょうか。

結論から言えば、プロジェクトベースの機械学習プロジェクトを誰でも立ち上げることができる民主化が訪れているとは言えません

これは民主化する「機械学習」の定義が局所的になっているからと言えます。機械学習のプロジェクトでは、課題設定、データ収集、検証などコーディング以外のスキルが求められるからです。

2014年にデータサイエンティスト協会は、データサイエンティストに求められるスキルセットとしてビジネス力データサイエンス力データエンジニアリング力の3つを掲げました。

どんなに、機械学習(モデルの構築)が民主化されても、課題背景を理解して課題を整理するビジネス力がなければ機械学習の民主化は訪れないのです。(対話AIが自動的に課題を整理してくれる未来が訪れれば機械学習の民主化は訪れるのかもしれませんが…)

 

一方で、機械学習モデルの構築を自動化するツールが優位に動くケースもあります。それは、PoCをビジネスサイドが担うことで迅速に検証を行い、本プロジェクトへの移行を早めることができる活用法です。

機械学習のプロジェクトでは、PoC が必須となる条件として、用意されたデータが使えるもの(目的の成果につながるデータ)かどうかの判断や、モデルチューニングを行うことの重要性があります。まずここで、時間やコストがかかってしまいます。

そこで重要なのは、PoCを少しでも多くの現場で回し、可能性が高いプロジェクトを本開発に進めていくことで、迅速に社内で機械学習プロジェクトを推進していくことができます。

このように機械学習のモデル構築ツールは、機械学習の活用を大きく進める可能性が詰まったツールです。ただし、機械学習の民主化がツールだけで実現すると短絡的に考えることは危険です。

機械学習は民主化しているという見方

一方で機械学習が民主化しているという考え方もあります。

現在、toBで提供される多くのツールでは、機械学習の機能を搭載したものが多くなってきました。

例えば、マーケティングツール Adobe Analyticsでは、シナリオで結果を予測し、予測スコアを利用して訪問者エンゲージメントの可能性を割り出す機能が搭載されています。このようにマーケティング領域では、多くのツールで機械学習モデルを構築する機能が搭載されています。

また、クラウド会計ツールfreeeでは、ネットバンキングやクレジットカードの明細から、自動的にAIの推測に基づいて、自動記帳する機能が搭載されています。誰でも簡単にプレスリリースの作成や配信ができるサービス「HARVEST」では、AIを活用することで、プレスリリースを送信するべきメディアを選定サポートする機能が搭載されています。

このように、機械学習のモデルを構築するサービスではなく、さまざまなサービスに組み込まれた形で、現在機械学習モデルの活用が進んでいます。誰もが気にすることなく、自然と機械学習の恩恵に預かることができる。これは機械学習の民主化と言えるのかもしれません。

 

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  Asei AI/DX専門ライター「Asei」

AIやDXなどが専門のライター。累計執筆数500本以上。 「曖昧な技術を具体的に」を心がけ、トレンドに合わせてさまざまな視点から発信します。フリーのフォトグラファーも。

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