自社の経験から考える、“データをもとに意思決定する組織文化”を作るための4STEP

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昨今、ビジネスデータを収集・可視化して、営業施策などの意思決定に活かしたいと考えている方が多いかと思います。

「データ活用」とは簡単に一口に言っても、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールを導入しただけで、上手くいくものではありません。常にチームメンバーがデータの入力と確認を継続するようになるためには、集約基盤の構築や、ルールの制定、継続的なPDCAによる改善などの、データマネジメントが必要となります。

本稿では、私が担当した弊社データデザイン部内のビジネスデータ活用の取り組みをベースに、データ活用プロジェクトを軌道に乗せるための4つのステップをお伝えしたいと思います。

弊社データ活用推進プロジェクトの取り組み概要

本論に入る前に、私が所属する部のデータ活用プロジェクトについて概要を説明いたします。

本プロジェクトは、データを根拠にした意思決定を行う事ができる状態になることを目標に定め、そのためにチーム全員が売上や案件に関する情報などを簡単に入力し、確認することができる環境を整備しました。

具体的には、以下の様な環境を整備しました。

 

データ活用プロジェクトを軌道に乗せるための4つのSTEP

実際には、以下の4つのステップでプロジェクトを推進しました。

1. データ活用推進チーム 立ち上げ

始めに、データ活用を推進するためのプロジェクトチームを立ち上げます。

社内のデータ活用が上手く行かない理由の一つに、それぞれの現場が(酷い場合には個人単位で)、独自にカスタマイズした形でデータを収集・保持しているという点があります。このようなケースは、本当に多くの組織で見られる状況だと思います。

このような状態ですと、以下の様な問題が発生します。

  • 現場のデータを収集したいが、どこに正しいデータがあるのか分からない。
  • 各現場のデータを突合したところ、同じ項目の数値にズレがある。
  • 各現場のデータフォーマットがバラバラで一つのデータとして結合するのに手間がかかる。

このような問題を解消するためには、横断的に俯瞰した立場からデータ活用を推進する管理者が必要になります。データ活用推進チームがその立場を担います。

2. データ活用基盤の整備

続いて、情報を集約するためのデータ基盤を中心に、データのインプット方法と、データを可視化するダッシュボードを整える事が重要です。そのような「データ活用基盤」を構築して、リリースを行います。

部内のプロジェクトにおいても、データ活用基盤の構築を、最初の1か月程で行いました。以下が全体像です。

概要を説明すると、Google SpreadSheetに入力されたデータが、GoogleCloud内のデータ基盤に蓄積されて、最終的にGoogle DataPortalにてダッシュボードとして可視化される構成です。

詳細を説明していきます。

①Google SpreadSheetの活用

部内のデータ活用プロジェクトでは、サービス利用に移行できておらずExcelでの管理が続いていたデータを、Google SpreadSheetに移行するところから始まりました。

SpreadSheetを利用する最大の理由は、GoogleCloudのデータ基盤に対してデータの連携を行いやすいためです。

その他にもいくつか理由があります。

例えば、Excelを利用している現場では、以下のような問題が発生していることが多いです。

  • チームメンバーがファイルを勝手に複製して、どれを参照すれば良いか分からない状態になっている。
  • チームメンバーがファイルに勝手に色々な情報を加えて、シートの内容が汚くなり、データをどう解釈していいか分からなくなっている。

これらのような問題は、データ活用推進の足枷となります。

その対策として、はじめに、データ活用推進チームが中心となってヒアリングを行いながら、過不足の無いSpreadSheet内のテーブル(表)のフォーマットを作成していきます。

そして、ExcelからSpreadSheetに移行するタイミングを良い機会として、シートのフォーマット変更については、データ活用推進チームが責任を持って行うという点を、利用者間での共通認識とします。

念のため、利用者が勝手に変更を加えられないように、SpreadSheetの機能で必要以外のセルには編集制限をかけるなどの工夫を施します。

②データ基盤の構築

SpreadSheetに入力されたデータを蓄積するためのデータ基盤を構築します。

部内プロジェクトではGoogle Apps Scriptを利用して、SpreadSheetに記載されたデータを、定期的にデータ基盤に対して連携しています。(今回は、技術面の詳細は割愛します。)

一般的にデータ基盤では、「データレイク」、「データウェアハウス」、「データマート」の3層構成の領域を用意します。3層構成を採る理由については、以下の過去記事をご参照下さい。

データ分析基盤の基本と構築のポイント

 ③ダッシュボードの構築

データをグラフで可視化するための、ダッシュボードを構築します。

ダッシュボードについても、現場にヒアリングを行いながら、要望を俯瞰的に取捨選択しレイアウトを決めていきます。

部内プロジェクトでは、無料で利用することができるGoogle DataPortalというサービスを利用しています。Google Cloudのデータ基盤と簡単に連携することが可能だからです。

3. ダッシュボードを見る習慣作り

データ基盤を構築し、無事リリースした後に重要となるのは、チームがダッシュボードを見る習慣を作ることです。

折角作成したダッシュボードが使われなければ、データ活用推進チームの努力は水の泡となります。

その対策として、部内のプロジェクトでは以下2つの取り組みを行っています。

①週次定例での確認

私の部では、週次でセールス・プロモーション担当の定例ミーティングを行っているのですが、その冒頭で必ずダッシュボードを確認し、先週の状況を振り返るようにしています。

②利用者への定期通知

利用者にダッシュボードを確認いただけるよう、定期的に通知を行うのも効果的です。

部内プロジェクトでは、Slack(社内のコミュニケーションツール)に、週次でダッシュボードの確認を促す通知を自動で送っています。以下がその通知文面です。

このような定期通知によって、ダッシュボードを確認したメンバー間で、データから見えて来る傾向に対して、どのような施策を行っていくかというようなディスカッションが自然と始まることが多々あります。

4. PDCAを回す

データ活用基盤を状況に合わせて、定期的に更新していく事も非常に重要です。

更新を怠り、ダッシュボードやSpreadSheetの内容が、業務に適さない物になっていくと、再び各現場が勝手にExcelファイルでデータを運用し始めます。

部内プロジェクトでは、その対策として、2つの取り組みを行っています。

①改善要望を投稿できる場所を作る

現場の意見を汲み取りつつ、改善を行っていくことは、データ活用推進チームの大きな役割の一つです。そのために、改善要望を書き込める場所を作成することが重要です。理由は以下の通りです。

  • 改善要望を一元的に把握できることが大切だからです。現場の各個人から、データ活用推進チームの各メンバーに、五月雨式に改善要望が挙がってくると、リーダーが全体像を把握できなくなり、要望の取捨選択や、優先順位を付けて合理的に対応を進めることが難しくなります。
  • 挙がっている改善要望を利用者全員が見られるようにした方が良いからです。他のチームメンバーや別の現場がどう考えているのかが分かり、より適切に改善するためにはどうしたらいいかといった建設的なディスカッションが発生します。

私の担当する部内プロジェクトでは、課題管理ツールを使って、誰でもが改善要望を挙げられる状態を作っています。

② データ活用推進チームの定期ミーティング

挙がってきた改善要望を、週次のデータ活用推進チームの定期ミーティングにて確認を行います。

現場で重要とされる指標は日々日々変わっていくので、その状況に応じながら、柔軟に開発スケジュールを調整していきます。

まとめ

本稿では、ビジネスデータの活用推進を軌道に乗せるために、重要となるステップをお伝えしました。

少し泥臭い内容でしたが、組織にデータ活用を根付かせるためには、根気強くチームの習慣を変えていく必要があると思っています。

これから、データ活用が根付いた組織づくりの推進を検討されている方がいれば、参考にしていただけると幸いです。

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WRITER
Kenta Ozaki

データエンジニア

尾崎   健太 Kenta Ozaki

不動産やメディア系の案件にて、AIアプリケーションにおけるシステム構築やデータ整形を担当。 Google Cloud Associate Cloud Engineer認定, JDLA Deep Learning for GENRAL 2019#2

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