「DXとは事業の本質を見つめることに他ならない」ことにお化け屋敷で気づいた話

このエントリーをはてなブックマークに追加

皆さん、こんにちは。データディレクターを担当している林です。
最近よくDXという言葉を耳にします。言葉自体は広く浸透していますが結局のところDXって何なんでしょう。

  • 紙文化を廃止すること?
  • AI/RPAを導入して業務を効率化すること?

私なりの解釈でいえば、これらは全てイコールDXではありません。今回は、私生活でDXを感じた体験を通して、DXとは何なのか私なりの解釈をご紹介していきたいと思います。

DXの起源と定義

DXという言葉の起源は遡ること16年前、2004年にウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱したといわれています。エリック・ストルターマン教授曰く、DXの概念は以下の通りです。

「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」

テクノロジーを駆使することで事業を良い方向性に変化させること、、漠然としており具体的なイメージは難しいですね。もう少し分かり易いものを見てみましょう。

経産省が2018年にまとめた「DX推進ガイドライン」ではDXとは以下のように定義されています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、
顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、
業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
出典:経産省「DX推進ガイドライン」

DXとは「デジタル技術を用いることで経営の在り方やビジネスプロセスを大きく変えること」を指し、その目的は「企業の競争優位性を確立すること」ってことですね。

ここで重要なのは、デジタル化することは「目的」ではなく、「手段」であるということです。
「紙でやり取りしている帳票をデジタル化したい」「AIを導入したい」これらはすべて手段に過ぎず、これらを目的として設定してしまうとまずうまくいきません。デジタル化したその先、AIを導入したその先に何を実現したいのか、つまり「自社の事業の本質は、誰に何を提供することなのか?」を考える必要があります。

事業の本質とは何なのか、もう少し深堀するために、私がお化け屋敷の中でDXを感じた体験をご紹介します。

お化け屋敷に学ぶDX

お化け屋敷と聞くと、皆さんは遊園地にあるような自分で施設内を歩いて回るウォークスルー型のものをイメージするかと思います。しかし、昨今の感染症の流行に伴いお化け屋敷をはじめとするホラーコンテンツも大きく事業形態が変わっています。

監禁型

例えば、「棺桶」「トイレ」「車」といった個室に入り、その外側から驚かされる「監禁型」のものです。
従来のウォークスルー型と違い、密室に閉じ込められることでソーシャルディスタンスは守られ、密室という空間により恐怖も増大します。
【ご参考】
「戦慄!トイレの花子さん」
「絶叫棺桶」
「ドライブインお化け屋敷」

オンライン型

また、リアルタイムにチャットやWEBカメラからキャストとコミュニケーションを取りつつ、物語を進める「オンライン型」のものもあります。
【ご参考】
「配信型リアルタイムホラー まなご」
「配信型リアルタイムホラー 城跡ノ怪異」
「レイトアットナイト ~とある夜の物語~」

後者の「オンライン型」ですが、リアルのお化け屋敷で味わう興奮をオンラインでも味わえるのか、参加する前は正直半信半疑でした。

ですが、実際に参加すると、まぁ~~~~おもしろいんです。
例えば「配信型リアルタイムホラー まなご」ですが、物語は、オカルトオタクであるホストによる「幽霊画」に関する語りから始まります。

 
出典:「配信型リアルタイムホラー まなご」

なぜ幽霊画は描かれるようになったのか?どんな画家がどんな特徴の幽霊画を描いたのか?など幽霊画に関する歴史を解説します。
ZOOMを使用していますので、ほかの参加者の顔や名前はもちろん見えますし、ホストが参加者の名前を読んだり雑談を交えながら話が進むので、参加者が一体となり物語を進める感覚が面白いです。

また従来のお化け屋敷においても「音響」は恐怖を煽る重要なポイントですが、本イベントは、3Dサウンドとなっているのでイヤホンやヘッドホンを装着することでその恐怖は倍増します。

時折聞こえる女性の声や、雑音。
「あれ、回線が不安定なのかな?」
「もしかして私だけに聞こえてない、、?」
「ほかの参加者にはこの音聞こえてるの???!ねぇ!みんな!!?」
と思わず他人だったはずの他の参加者に助けを求める場面もありました(笑)

画面越しだからこそできる演出なども交じり(詳しくはぜひ実際に参加して体験してみてください)、画面越しに眺めていたはずが、いつの間にか語り手のホストと同じ空間にいるような錯覚に陥ります。

半信半疑で参加したオンライン型ホラーイベントでしたが、参加したことで私は自分がお化け屋敷が好きな本質に気が付きました。それは、単なる怖いもの見たさだけではなく、お化け屋敷という空間の暗さ、音、閉鎖感、キャストとの会話/接触を通して物語が進む“没入感”です。
ただホラー映画を見るだけでは味わうことができない、まるで自分が主人公になったような感覚こそが、私がお化け屋敷に参加する本質でした。

そうだとすると、物理的な脅かしやオンライン配信というのはあくまで手段であって、本質である“没入感”を見落とさなければ、いくらでも手段はあることに気が付きました。
(VRを用いたホラーコンテンツなんか没入感凄そうですよね。)

企業の本質と手段

この本質と手段の構造ですが、お化け屋敷に依らず世の中のDX事例というのも、同じ構造になっています。

事例1: Uber


出典:Uber

「好きな時、好きな場所に移動したい人」と「車を所有しており、空き時間がある人」をつなぐライドシェアサービスです。

ユーザーはアプリを立ち上げ目的地を入力することで、自分のいる場所に簡単に車を呼ぶことができます。そして迎えに来たドライバーもアプリを介して「好きな時に好きな場所で」仕事をしている人で、一定の条件を満たせば、自分のクルマを使って仕事を始められます。

ユーザーが求めてる本質は「好きな時、好きな場所に移動すること」であり、「タクシー」は手段でしかないということが分かります。

事例2: Airbnb


出典:Airbnb

「旅行者」と「物件所有者」を繋ぐ民泊サービスです。

これまでのホテルや旅館といった宿泊サービスとは異なり、現地の生活者の暮らしに近い宿泊体験ができたり、物件の所有者であるホストと交流できる点が支持されています。最近では宿泊先だけでなく、その土地でしか味わえない体験の販売も始まり、自身がもつスキルを活かしたツアーやアクティビティの提供もできるようになりました。

ユーザーが求めている本質は、「宿泊を含むその土地で体験できること」であり、「ホテルや旅館」は手段でしかないことが分かります。

事例3: メルカリ


出典:メルカリ

「不要なものを売りたい人」と「欲しいものを購入したい人」を繋ぐサービスです。

これまでのフリーマーケットとは違い、自分が不要になったものを求めている人に対して、時間・空間を問わず取引が可能です。また最近では「メルカリステーション」という、商品の撮影や梱包のコツをスタッフにレクチャーしてもらったり、メルカリの便利な使い方を発見できる実店舗をオープンしています。

ユーザーの求めている本質は、「不要なものをいつでもどこでも売ることができる」であり、「フリーマーケット」は手段でしかないことが分かります。

企業がDX推進を成功させるには

メルカリステーションの事例からわかるように、ただデジタルシフトすることがDXではありません。
自分たちの事業は、誰に何を提供したいのか?」を追求することが重要で、その先にボトルネック業務の自動化効率化や、新しい形態で提供するという変革が起こるのです。

繰り返しになりますが、企業がDXを進めるにあたって「本質」と「手段」を見誤ってはいけません。
事業をどうしていきたいのか、ユーザーに何を提供すべきなのかをしっかり考えることで、手段は「デジタル化」なのか「AI導入」なのか、おのずと見えてくるはずです。漠然としたDXという概念を少しでも身近に、自社ごととして置き換えて考えるきっかけになれば幸いです。

以上、最後までご覧いただきまして誠に有難うございました。

【無料ebookのご案内】
AI・データ活用がうまく進まない方におすすめの一冊です

年間多くのお客様からAI・データ活用に関するご相談いただきますが、中にはプロジェクトを立ち上げる前に終息したり、スタートできるまでに半年以上時間を要するケースもあります。
その最大の要因は、データの準備不足です。

AIプロジェクトを開始するためにはAI活用に適した形でデータが揃っていることが大前提ですが、この大前提ができていないケースが多くあります。
では、どうすればAI・データ活用プロジェクトを効率よく推進できるのでしょうか。

本ebookでは、企業が陥りやすいデータの3大課題と、その解決に役立つ「AI活用診断レポート」について、わかりやすくご紹介いたします。
無料でダウンロードできるのでぜひご活用ください。

ebookダウンロードはこちら

WRITER
Maako Hayashi

Maako Hayashi

林   真亜子 Maako Hayashi

AI・データ活用のディレクターを担当。お客様のAI活用のプランニングから プロジェクト推進を支援。 JDLA Deep Learning for GENERAL 2019 #3

SNSで最新情報を発信しています

最新記事

ページTOPへ