物流現場の効率化にAIを導入した際の学びと成功のコツ

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皆さん、こんにちは。データデザイン部でディレクターを担当している林です。
普段は製造業、物流業のAIやデータ活用を軸にお客様の事業課題を解決するプロジェクトを推進しております。
今回はとある物流業様のAIプロジェクトを通して学んだこと、現場への導入を成功させるコツについてお話しようと思います。

人の作業はそう簡単にAIで代替できない

「AIが仕事を奪う」「AIによってなくなる仕事」など耳にしたことはありませんか。
【ご参考】AIの発達によってなくなる仕事って?-今すぐするべきこと3選-

確かに、決まった作業が多い仕事は一部AIが代替する未来が来るかもしれません。
特定の作業に絞って言えば、人の精度よりもAI の精度のほうが高い場合もあります。
【ご参考】ディープラーニングによる画像認識は人間の『眼』を超えたのか

でも皆さんの仕事ってこんなに単純ですか?また、その仕事を間違えたとき、責任を取るのは誰ですか?
そう、AIが人間の仕事を完全に代替することは不可能なのです。

精度だけではない、AIがもたらす価値とは

AIに完全に仕事を代替させようとすると、人は精度にしか注目しなくなります。
AIがいかに失敗するリスクを減らすか(=自分の責任を減らせるか)だけが価値になってしまうからです。
しかし、AIがもたたらす価値はそれだけではないのです。

ここからは私が実際にご支援させていただいたとある物流事業者様のお話を交え、ご説明していきたいと思います。
(以下、お客様に関する情報は避けて記述をします)

とある物流業者様の事例

「物流倉庫内に設置した監視カメラの映像から、作業員の評価を行う」という業務に膨大な工数をかけているというのがお客様の課題でした。評価項目は数十項目あり、1人の作業員を評価するのにも数時間かかり、またそれを全社員分行っているとのことでした。
このご依頼を受けた際に、まず人の目で行っている数十項目の評価をAIに完全に代替させるのは不可能だと思いました。

不可能だと思った理由は2つあります。
まず1つ目は、技術的な問題です。
人が評価する際も、意見が分かれるような項目が存在する場合、人にできないことをAIに代替させるのは不可能です。

2つ目は、現場からみたときの印象の問題です。
現場社員からすると、これまで上司の目によって自分の働きぶりを評価されていたのに、ぽっと出の得体の知らないAIなんぞに評価されては納得がいかないと思いませんか?(AIにお給料を決められるなんて嫌ですよね。)
現場から不信感を抱かれないというのは、非常に重要なポイントです。

これらの理由から、評価をAIに完全に代替させるのではなく、
評価に関わるシーンのみを重点的に確認できるような映像再生ツールを作成することとなりました。

例えば、「倉庫内で歩きながらスマホを操作する」というのが評価項目にあったとしたとき、「作業者が歩いているシーン」と「スマホを操作しているシーン」が同時に発生した瞬間をAIがサジェストします。

こうすることで、これまで全映像をくまなく確認していた作業が、該当シーンのみ目視で確認すればいいこととなり大幅な工数削減になります。

我々が達成すべきは精度を上げることではなく、あくまで現状の業務時間を削減すること、AIが中心ではなく、人間の業務を中心とした設計を行うことが重要です。

また、このプロジェクトを通してお客様から以下のようなお言葉を頂きました。

「評価項目にないけど、無意識のうちに評価している項目があったことに初めて気がついた」
「評価者の中でも評価の際に注目しているポイントが異なることに初めて気がついた」
「評価基準を統一するためにも、AIと一緒に我々も成長していかなければいけないね」

こういった気付きもAIを導入する価値です。AIを導入するとなった場合、どうしても現行の業務からどれくらい工数が削減できるのか?という費用対効果ばかりに目がいってしまうかと思います。
しかし、このような気づきも皆さんの業務を改善する大きな価値であるということを、ご理解いただけたら幸いです。

まとめ

この記事を通して私がお伝えしたかったのは以下の3点です

  • 人間の作業を完全にAIが代替できると期待をしてはいけない
  • 現場への導入を成功させるには、現場から不信感を持たれないことが重要
  • 自身の業務に対する新たな気付きが得られることもAI導入の大きな価値

以上、皆様のAI導入の際のご参考になれば幸いです。
最後までご覧頂きまして誠にありがとうございました!

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WRITER
Maako Hayashi

Maako Hayashi

林   真亜子 Maako Hayashi

AI・データ活用のディレクターを担当。お客様のAI活用のプランニングから プロジェクト推進を支援。 JDLA Deep Learning for GENERAL 2019 #3

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