立場や役割の違いから見たAI活用 ~経営者、開発/推進担当者、現場担当者~

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こんにちは、データデザイン部でディレクターをしております中野です。

企業の中でAIを活用しようとなったときに、1つの部門で完結することは稀だと考えます。大抵の場合、多くのステークホルダーが関係します。AIを使って業績を伸ばしたい、またはコストを抑えたいと考える経営者がいますし、社内の情報システム部門がいかに効率よくAI導入を推し進めるかを考えることもありますし、導入先の現場で作業をしている部門がAIをどう利用すればよいか考えることもあります。つまり、それぞれの立場や役割によって、AIに対する期待、考え、知識、関わり方が異なるということです。そうした中では、複数のステークホルダーと協調しながらAI活用を進めていく必要があります。

そこで、今回は「立場や役割の違いから見たAI活用」というテーマで、「開発担当者」を主にしながら、AI活用を進めていく上で社内のステークホルダーとどのように関わり、進めていくかに関して、考えをお伝えしようと思います。

 

もくじ

1.私たちが関わる担当者の方々について
2.経営者がAIに期待する経済効果
3.開発・推進担当者が考えるAI活用による課題解決と開発、導入の進め方
4.現場担当者とAIとの付き合い方
5.まとめ

1.私たちが関わる担当者の方々について

私たちが展開している「データデザイン事業」では、お客様とのプロジェクトにより課題や活用する技術(AI、BI、DWHなど)は多岐にわたります。お客様の業種業態に関しても同様でして、今回のテーマである「立場や役割」という観点からみても、新規事業開発の部門、研究開発部門、情報システム部門、販売支援部門、さらには事業責任者の方など、企業の中でおかれている立場や役割にバリエーションがあります。
一方で、AI活用のプロジェクトのミッションを抽象化すると「データを活用して事業に貢献したい」や「社会課題を解決したい」など、共通している部分があります。企業内でも、部門が異なったとしても企業全体や事業の目指す方向は共通だと思います。

しかし、部門が異なればその部門の担当者が「大事にすること」「考え方」も違ってきます。AI活用は、時に立場や役割の違いを捉えながら、対話を中心としたコミュニケーションを必要とします。次の項目からは、立場の違いを捉えていきたいと思います。

2.経営者がAIに期待する経済効果

経営者の方の立場で考えると、経済的な効果がいつまでにどれだけ得られるかが最もシンプルかつ重要でしょう。事業に対して「売上アップ」もしくは「コスト削減」が見込めるのか、です。
AI開発・導入にあたり、多くの経営者が気にかけるのは費用ですが、一般的に、AI開発期間は実証実験を含めて6ヶ月以上、費用は概算でも最低1,000万円以上はかかります。
そのため、プロジェクトの期待効果をしっかりと試算し、一定の費用を経営者が覚悟をもって投資することができる計画が必要になってきます。

3. 開発・推進担当者が考えるAI活用による課題解決と開発、導入の進め方

企業の中でAI活用を中心的に行っていくのは、AIの開発や推進に関わる担当者の方だと考えます。私たちがご相談を受けて、プロジェクトを推進していく中でも最も関わることが多い方々です。

初期のフェーズを大きく分けますと「解決したい課題や、活用したいデータがある」場合と「目的や課題はない、活用するデータがないか、定まっていない」という場合があります。
前者の場合は、社内にデータサイエンティストがいれば内製で活動を始められますし、いない場合は、私たちのようなベンダーにまず相談いただくのが良いと考えます。一方で、後者の場合は経営者や現場部門と対話をすることで、現状の課題の洗い出しやAI活用による解決のアイデアを出す必要があります。また、自社内にどのようなデータがあるのかの整理も重要です。

ほとんどの開発者、推進者の方にとってAI活用は不慣れな取り組みです。場合よっては、過去にPoCを実施したが期待する結果が得られなかったという方もいるかと思います。AI開発の初期段階では、決まった方法で期待した効果が出ることは、残念ながら保証されていません。そのため、プロジェクトの期中ではいくつかの手法を探索的に試行しながら、成果物を実際に試しながら、進めていく必要があります。担当者としては、不安になる面もあるかと思いますが期中により良い方法や気づきが得られたら柔軟に対応しくことができる計画や体制、契約を用意しておくことが大切ではないかと考えています。

加えて、AI開発ではAIの知識と、事業や業務知識の両方が必要となります。AIの知識は、社内にデータサイエンティストや開発者がいる場合にはその人材が担うものと考えます。ベンダーに依頼し、プロジェクトを組む場合には、ベンダーと会話する担当者が数学、統計、機械学習や深層学習の基礎を得ている必要があります。業務知識に関しては、開発者や推進者がAI活用に関わる業務に熟知していれば同じ人材が担います。私が推奨するのは、導入されるAIを実際に使う立場になる現場部門を巻き込んで進めるプロジェクトの組み方です。

次の項目からは、現場部門の担当者の方を捉えていきたいと思います。

4. 現場担当者とAIとの付き合い方

現場部門の担当者の方はAIに何ができるのか、業務の何が変わるのか、どういったメリットがあるのかをきちんと知りたいところだと思います。これらの会話がなされないまま、プロジェクトが進んでいくことは探索的、試行を中心としたAI開発にとっては非常にリスクがあります。そのため、開発・推進担当者の方は、現場部門からの情報収集や協力依頼、横断的なチーム編成をする必要があります。

今のところAIが代替できる作業の種類は限られており人間にしかできない作業が相変わらず大多数を占めています。
現場部門が気をつけるべきは、AIを導入することで現場が非効率な作業を手放し、効率よく稼働できるよう体制やフローを見直して価値ある活動を思考すること。これが重要です。

5.まとめ

今回はAI活用における、立場や役割の違いを経営者、開発・推進担当者、現場担当者という視点を捉えて書かせていただきました。ポイントとしては、AIという道具を事業に役立てるために、立場や役割が異なっても、共に考えて一つのチームで進めていくことだと認識しています。それは私のようなベンダーに所属するものも同様であると考えており、いかにお客様とチームになれるかを意識しています。良ければ、抱えている課題を一緒に取組めたらなによりです。この記事が、皆さんのAI活用検討にお役に立てできれば幸いです。

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■「AI開発の丸投げダメ。ゼッタイ。」ベンダーが教えるプロジェクトが成功する4つの秘訣
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WRITER
Hiroki Nakano

ディレクター

中野 広基Hiroki Nakano

ディレクター 中野 広基 Hiroki Nakano ニフティ株式会社 新卒入社。マーケティング部門にて、会員情報のデータ集計、分析 社内向け分析ツールの運営。 現在は富士通クラウドテクノロジーズにて、ディレクターの立場で上記に関連する様々なデータ分析プロジェクトを実行中。JDLA Deep Learning for GENERAL 2019 認定スクラムプロダクトオーナー

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