DX推進者が最低限インプットしておくべき、2025年の崖を乗り越えるため4つのポイント

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皆さんこんにちは。データデザイン事業を統括している西尾です。2025年の崖についての私の考えと、AIを中心に企業のDX活用をご支援させていただいているなかで感じる課題や対策について、徒然なるままに綴っていきます。DX推進を担当している方の参考になれば幸いです。

Agenda

2025年の崖とは

・そもそもDXの定義

DXの実態

・対応のポイント

・さいごに

2025年の崖とは

簡単にまとめると、2018年に経産省が発表した『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』(以下DXレポート)で登場した概念で、DXを推進する際にITシステム(データを収集・蓄積・処理する各システム)の複雑化・老朽化・ブラックボックス化が問題になってくるため、ここを改善しないと2025年以降の日本国内での経済損失が最大12兆円にものぼる可能性があるというシミュレーション結果のことを指します。

出典:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~ 2.6.2項(経産省)

そもそもDXの定義

前述したDXレポートの関連ガイドラインとして経産省が発表した「DX 推進システムガイドライン」(以下DXガイドライン)によると、DXとは『企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。』と定義されています。

 

DXレポートでも言及されていますが、DX自体が概念のため、色々なところで色々な解釈が出てきてスコープがブレることが懸念され、共通のスコープで論じる必要があると私は考えています。

これは非常に重要なことで、そもそも概念という対象自体が曖昧で、かつDXという概念が幅広いため、DXはどうしても曖昧かつ幅広い意味合いで捉えられがちです。したがって、誰でもわかることばで端的に表現し、共通認識を合わせる必要があります。

ちなみに私が講演などでお話しする際は「DXはデータ×テクノロジーで(自社の経営を変革し)、競争上の優位を確立することです」と表現しています。さらに深ぼると、データで経営を変えるためにテクノロジーを活用しましょうというように、データとテクノロジーの関係性を述べています。

 

とかくDXはテクノロジー論に終始するケースが散見され、それだとただのIT活用ですよという具合に、DXはわかりやすいことばで明確に差別化し定義すべきです。私は経産省の定義がわかりやすいと思うので、皆さんも参考にしてみてください。

出典:DX 推進システムガイドライン(経産省)

 

DXの実態

さてDXの定義が一旦まとまったところで、実態についてみていきたいと思います。

201911月に日経BP総研の発表した「デジタル化実態調査」によると、まずDXを推進していると答えた企業は約36%でした。

また、「自社の基幹システムがDX推進の深刻な足かせとなるか?」という質問に対して「Yes」と答えた企業は「やや深刻」を含め約35%だそうです。今後、DXが進めば進むほど、この割合は増加してくると個人的には予想しています。

いろいろなパターンがあると思いますので一概には言えませんが、DXが推進され、事業単体スコープから部門をまたがるデータ連携にスコープを拡げたりする場合に、「データが取り出せない」とか「システムに触れる人がいない」などの問題点が顕在化することが想像できます。古くから存在する基幹システムや、人事や経理など管理系のシステムでそのような問題が多く出てきそうな気がします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出典:日経BP総研「デジタル化実態調査」

 

DXレポートによると、2018年時点の推定でもレガシーシステムによって約4兆円の経済損失が発生しているそうですので、金額の多寡は置いておいて、レガシーなITシステムによる弊害がDX推進の足かせとなるのは間違いないと思います。それは大きな企業であればあるほど顕著で、歴史が長く、組織や事業が多ければ多いほどその問題は大きくなる傾向があると考えています。

対応のポイント

さて、ここまでDXの現状とレガシーシステムによる影響有無についての調査結果をご紹介しましたが、対応策としては、シンプルに「しっかりとレガシーシステムもスコープに取り入れながらデータ活用のための全社基盤を作っていく」ということになります。

ここからはDXレポート/ガイドラインに記載のある対応策も含め、個人的な解釈も交えながら全社基盤を作る際のポイントを4点ほど述べていきます。

 

     1.経営ビジョンや戦略へのデジタル活用の組み込み

いきなりシステムではない話をしますが、とても重要なアクションだと考えています。経営を変えていくことがDXのゴールですので、ビジョンや戦略にデータ&テクノロジーの活用を明記していくことは、現場に対する経営のコミットを示すためにも必要です。DX推進を現場任せにしているケースがありますが、前述のとおり経営変革がゴールですので、本来は経営主導で進めるべきです。

     2.クラウドファースト

さて、システムの話をしましょう。弊社はパブリッククラウドを提供しているので手前味噌ではありますが、プログラマブルにシステムを制御していく時代であり、APIなどを活用してシステムを連携していくことが可能なクラウド(Iaas/Paas/Saas)を利用していくという考え方はDX推進には欠かせない考え方だと考えています。

     3.疎結合な設計

ここで取り上げる疎結合とは、システム的にももちろんですが、ベンダー的にも疎結合可能な設計が望ましいという話です。

まずDXの基盤を作ろうとする際、作り直しのリスクを避けるため、実績のないアプリケーション基盤は採用したくないのが正直なところです。CRMならSalesforceERPならSAPOBICといった具合に、全社基盤は実績があり、簡単には終了しないであろうサービスを私も選びます。弊社でもこれらのうち一部を実際に導入しています。

事業(システムを提供される)側としては、いわゆるベンダーロックインを防ぎたいわけですが、当然ながらアプリケーションベンダーは顧客を囲い込みたいので、AIでBIでも自社サービス(技術)を使ってもらうべく、買収してでも良い機能を組み込んで提供してきます。例えば、2019年にSalesforcetableauを買収したのは記憶に新しい例です。

でもよくよく考えると、これだけプロダクトのライフサイクルが早くなり、特に特定の技術分野においてはどんどん良いサービスが出てくる中で、ただ単に楽だからという理由だけでメインとなるアプリケーション基盤のオプションサービスだけ使っていると、良くも悪くもその域を出ません。DXによる他社差別化を図るためには、目まぐるしいスピードで出てくる外部の新技術や新サービスを取り込んでいける作りにしておく必要があります。従来、ETLツールの導入などでこれに対応していたわけですが、昨今ではデータハブという概念が主流になってきています。

本項だけやたらと長くなってきたので、、、一旦ここで切ります。リクエストがあればこの章だけ切りだして記事を書きますのでご連絡お待ちしております。(なお、Salesforcetableauは良いサービスだと思いますし、弊社も使っています!)

    4.情報(データ)資産の取捨選択

前項が長くなりすぎましたが、、ようやく4つ目のポイントです。

基幹システムそのものがレガシーシステムの場合には、やはりリプレースという形で資産の引き継ぎが必要なわけですが、基幹システムではないスタンドアローンなシステムである場合、そもそもその情報資産は今後も必要なのか?という議論は必要だと思います。データ活用といっても、すべてのデータをスコープにしていたらキリがない部分もありますので、利用シーンを考えてみて必要がなさそう、あるいは必要があっても重要じゃなさそうだなと判断した場合、その情報資産は捨ててしまう勇気もまた必要だと思います。

さいごに

さいごに、DXを統括する立場の方へのメッセージとして私がお伝えしたいことを書きます。それは「本投稿に記載したような概念レベルの学習/インプットは実施しておくべき」ということです。

実際のシステム設計や実装はプロジェクトに参加しているディレクターやエンジニアに任せたほうが良いと思います(やれと言われてもできませんしね)。しかしながら、一緒に推進してくれるエンジニアと会話もできないようなボスはやはり信頼されませんし、一体感も生まれづらいです。

コンサルティングや開発などで、私や私のチームが実際にご支援している企業のDX推進統括の方でも、大丈夫かな~と思ってしまう方が正直います。

私もベンダー側の人間なので大きな声では言えませんが(言ってるかな)、ベンダー任せの時代ではなくなってきているように思います。ベンダーとユーザーが切磋琢磨しながら、ともにより良い姿を目指すような、そんなDX推進が理想だと思います。

今回はここまでとなります。システム以外のポイントについてはDXレポートにも記載がありますので、そちらも参考にしてみてください。
そして「ここを深堀りしてほしい」などリクエストあればまた書きたいと思います。

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WRITER

Takahiro Nishio

西尾   敬広 西尾敬広

AI、BI、DWH、Data processingなど、企業のデータ活用に関連するさまざまなテクノロジー導入支援を担当。

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