AI導入のための社内政治Ⅱ

このエントリーをはてなブックマークに追加

前回の記事では、AI導入のための社内政治学Iとして、そもそも社内政治とは何なのかやAIの導入のために社内政治が求められる理由を解説してきました。

この記事ではより実践編として、社内政治の3つの軸、そして社内政治を実践していく上で重要な7つのポイントを解説します。

社内政治の3軸

社内政治を考える上で重要な3つの軸があります。それは以下の3つです。

  • 縦のコミュニケーション
  • 横のコミュニケーション
  • 斜めのコミュニケーション

一つひとつについて解説していきます。

縦のコミュニケーション

まず、重要なのは縦のコミュニケーションです。縦のコミュニケーションとは、部署の上司(特に課長や部長)とのコミュニケーションを指します。

AIの導入を進めていく上で、部署の方向性が部署の中で共有され、スムーズに意思決定される必要があります。

また、予算や稟議の一次承認を課長や部長が担っているケースも多く、事前に意思疎通しておくことで、承認もスムーズに運びます。

縦のコミュニケーションでは、部署内で定例や夕礼が行われているケースも多く、オフィスでも席が近い場合が多いため、最もコミュニケーションが進みやすいと言えるでしょう。

横のコミュニケーション

次に重要なのは横のコミュニケーション(= 部署間コミュニケーション)です。

AIの活用を進める上で、他の部署がどのような現状なのかを把握する上で、気軽にコミュニケーションできるの横繋がりは重要です。

新卒採用を行なっている会社では、同期がいるため、飲み会なども多く開催され、横のコミュニケーションが活発化しやすい特徴があります。

何か新しくAIプロジェクトを立ち上げたい時、わからないことを気軽に聞くこともでき、状況の把握がスムーズに運びます。

新卒採用を行なっていない会社の場合は、社内制度や研修制度などを利用しての横の繋がりを増やす努力を怠らないことが重要です。

斜めのコミュニケーション

斜めのコミュニケーションとは、他部署の上司とのコミュニケーションを指します。

会社によっては他の部署の上司、特に課長や部長レイヤーと接触することはとても難関です。

しかし、他部署の上位レイヤーとのコミュニケーションが実現すれば、その部署でどのような戦略を立てて成長させたいかの理解に役立ちます。

AIのプロジェクトを立ち上げ、他部署と連携が必要な場合、横のコミュニケーションだけでは、その部署の上位レイヤーが協力してくれるとは限りません。

あらかじめ斜めのコミュニケーションを築いておくことで、お互いのメリットを考慮した施策を考えることが可能になります。

意識されづらい斜めのコミュニケーションを意識することも重要です。

社内政治の7つのポイント

AI推進担当部署の立場を前提として社内政治の7つのポイントを解説します。

①小さな成功を積み重ねる

社内政治で円滑に物事を進める上で重要なのは小さな成功を積み重ねです。

いきなり大きなプロジェクトを立ち上げようにも、今までに実績がなければ、リスクが大きいと判断され予算や稟議の承認が通りづらくなってしまいます。

上司だけでなく、他部署の理解を得ることも難しくなってしまうでしょう。

そこで、まずは気軽に利用できるSaaSやRPAなどを活用して、業務効率化や利益の拡大、サービスの新規機能の拡大など、小さな実績を積み上げておくことで、社内政治を円滑に進める上での武器になります。

また小さな成功は成果を数字で示すことが重要です。業務効率化であれば、どれだけの業務が効率化されたのかの時間を定量的に示すようにしましょう。

その上で、積極的に社内にアピールしていくことも重要です。場合によっては他部署で課題を解決するためにAIの活用などを検討しているケースがあるかもしれません。

他部署にもしっかり成功体験を共有しておくことで、新しいプロジェクトを立ち上げるきっかけにもなるかもしれません。

②各部署の業務課題を把握しておく

先述の通り、横や斜めのコミュニケーションが重要ですが、意識するべきことは「課題」の収集です。

横のコミュニケーションをする中で多くの雑談が生まれます。そんな中、少しでも「課題を収集する」という意識があれば、コミュニケーションの仕方が変わってきます。

「普段は何が忙しいんですか?」

「1番めんどくさい仕事って何ですか?」

などのように常に他部署の課題を把握できるようなコミュニケーションを心がけておくことで、新しくプロジェクトを立ち上げる際の参考になったり、他部署を巻き込むきっかけにつながります。

特に業務効率化を目的としたAIプロジェクトの多くは現場の課題を解決しなければ成功に繋がりません。

普段から横や斜めのコミュニケーションの中で、課題を収集するという立場を忘れないようにしてみましょう。

③決裁者の判断基準を把握する

AIに関連したイベントに何度も出席する中で「経営層がAI導入の理解を示してくれない」「社長にとりあえずAIを導入しろと指示される」など上位レイヤーの理解不足が問題視されることが多くあります。

また、新しくプロジェクトを立ち上げたくても「リスクばかりを気にして決裁されない」などの課題が共有されることも多い傾向です。

このように上位レイヤーに対する不満が口にされることが多い中、重要なのは上位レイヤーの判断基準を考えた上で逆算した提案をすることです。

特に経営層であれば、抱えている責任はとても大きく、常にリスクと向き合いながら経営に当たっています。そんな経営層が何を課題として考え、会社をどのように変革したいのかを理解することが重要です。

多くの企業では経営層から社内報などを通して従業員に対してメッセージが発されることも多いため、社内コミュニケーションを通して、経営層がなにを課題としているのかを理解することが重要です。

また、場合によっては役員会議や取締役会の議事録を見た上で、経営上でどのようなKPIが重視されているのか、重点課題は何なのかを把握することが重要です。

その上で、AIを活用することだけを前提にするのではなく、①でも紹介したように、小さな成功体験を積み重ね、リスクが少ないと判断してもらうことも重要です。

④諜報能力を高め、情報を把握する

社内政治を行う上で重要になるスキルとして挙げられるのは諜報能力です。諜報能力とは情報を収集する能力を指します。

重要な情報を握っているかどうかは社内政治の成否をわけるといっても過言ではありません。

どの部署で、どのような変動が起きたのか、上位レイヤーにどのような動きがあり、どのような意思決定がなされそうなのか、など社内の情報を握ることで、優位な立場で社内政治を行えます。

特に横のコミュニケーションなどを通して、社内の動きを察知し、動くことで、さまざまな課題を収集し、提案ができるようになるでしょう。

⑤社内の人脈形成に力を入れる

社内の人脈形成スキルは、社内政治を優位的に進めていく上で最も重要な力といえます。横のコミュニケーションの部分でも紹介しましたが、あらゆる部署に人脈を広げておくことで他部署の現状をヒアリングしたい際に気軽に聞くことができるほか、なにか課題があった際に相談してもらえる頻度も向上します。

また、 横だけではなく斜めのコミュニケーションも重視し、社内の人脈を上位レイヤーまで広げていくことで、他部署の戦略や課題についてもヒアリングする機会になります。

⑥社外の人脈形成に力を入れる

社内政治をうまく行うには、社内だけでなく社外からも認められているという事実を作ることが重要です。社内政治を考える上で、社外の人脈形成は関係性が薄いと考えられがちです。しかし、社外の人脈を形成することは、社内政治をうまく進める上でも役に立ちます。

例えば、AI分野のさまざまなプロフェッショナルに知り合いがいれば、社内でAIの活用が検討された際にそのプロフェッショナルを通し、気軽に紹介できます。また、TwitterのSNSなどを通して多くのフォロワーと関われば、それだけ社会から認知されている人間だと社内からも評価されることにつながります。

また、社外の人脈形成に力を入れることで、自分の視野が広がり、他社のリアルな事情を把握することができ、自社の施策に生かせます。

社内だけでなく、社会の中で自分の価値を発揮できているかが重要です。社内政治にこだわらず、さまざまなステークホルダーと良好な関係性を構築していく考えが重要といえます。

⑦社外にアピールできる実績をつくる

社内政治をうまく進める上で重要なのは、社外にアピールできるような実績を作ることが重要です。自分の取り組みが社会的に認められていることをアピールできる事実や実績をつくることで社内でも認めてもらいやすくなり、AIプロジェクトを推進しやすくなるでしょう。

例えば、なにかの賞を受賞することがあげられます。賞を受賞することで、社会的にも認められていることを社内で認知してもらえます。また、取組の成果をメディアに取り上げてもらうことも重要です。

社外に実績をアピールする上で重要なのは広報との連携です。積極的にプレスリリースを配信したり、メディアに取材のアプローチをするなど、広報との連携を通して、社外にアピールし、自分の社内での評価をあげることで、社内政治もうまくいきやすくなります。

まとめ

この記事では、社内政治の3つの軸として「縦」「横」「斜め」のコミュニケーションを紹介したほか、社内政治がうまくいく7つのポイントを紹介してきました。

よく考えれば当たり前のようなことが社内政治のポイントには詰まっています。一方で当たり前だと思っているからこそ、ないがしろにされがちな側面を持っていることは事実です。

また、社内政治は一朝一夕でうまくいくものではありません。普段からの心がけの中で、いかに相手の意図を理解し、逆算して行動を積み重ねられるかが重要です。

ぜひ、これを機に社内政治について考え、社内でAIの活用を進めていただければと思います。

無料でAI予測モデルが作れる【AIモデリングツール】のご案内

AI開発で、こんな課題はありませんか?
「AI開発にかかる費用のハードルが高い」「自社で開発して運用を行うスキルがない」「秘匿性の高いデータを外部に持ち出すことができず、ベンダーへの依頼が難しい」

そこで本ツールを活用することで、事業会社様側にて
手軽に無料でAI予測モデルの作成ができ、
予測や予測精度の評価を行うことが可能となります。
現在、回帰モデル(項目がどのような数値になるかを予測するモデル)、また分類モデル(項目がいずれのカテゴリーに属するかを予測するモデル)をご提供中です。
お申込後、すぐにご利用いただくことができます。
興味のある方はぜひご覧ください。

▼お申し込みはこちらから

WRITER

 

  Asei AI/DX専門ライター「Asei」

AIやDXなどが専門のライター。累計執筆数500本以上。 「曖昧な技術を具体的に」を心がけ、トレンドに合わせてさまざまな視点から発信します。フリーのフォトグラファーも。

SNSで最新情報を発信しています

最新記事

ページTOPへ