慎重勇者に見る「周囲の意見に流されない方法」

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慎重勇者をご存知だろうか。
慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~は、2019年10月から12月にTV放送されていたアニメである。Amazon Prime VideoやU-NEXT、Netflix等ストリーミングサービスでも同時期に配信開始されていた。
原作は土日月(@tuchihilight)によって今もカクヨムで連載されている、この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎるだ。

出典:公式サイト TVアニメ「慎重勇者〜この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる〜」本PV(YouTube)
©︎土日月・とよた瑣織/KADOKAWA/慎重勇者製作委員会

「慎重勇者」の面白さ

私は確か放送終了後すぐのタイミングでPrime Videoで、全話一気に視聴した。最初は作画崩壊(崩壊前がないので崩壊ではないかもだが)が気になっていたが徐々に引き込まれ、一気に12話見てしまった。読後感が良く、1クールで綺麗にまとまった面白いアニメだなと印象に残っていた。

建てつけとしては近年ありがちな異世界転生物だ。アニメ版のメインの舞台は魔王によって支配されつつある救済難度S級の異世界、ゲアブランデ。これを救うために女神リスタルテ(リスタ)がチート級スキルを持った竜宮院聖哉(聖哉)を召喚して魔王を倒す物語だ。

これだけ聞くと「またいつものパターンか」と辟易すると思う。なろう系のおきまりのパターンで、チート級スキルを持った主人公勇者が周囲の不安をよそに敵を倒して無双する、ついでにイケメンなのでハーレムが形成される、そんな感じかなと考える。慎重勇者とタイトルにあるので、現代世界のヘタレな性格そのままに、スキルのみチート級となって異世界転生して物語が進行するのだろうかなどと考える。

これらは概ねその通りだ。
聖哉のステータスには「性格:ありえないほど慎重」とあり、何をするにも入念な準備を行う。敵前逃亡は当たり前。勇ましさとは対照的にスライムなどの雑魚敵と戦うのも躊躇い最初は石の陰から様子を伺う、いざ戦うとなっても中距離から全力の飛び技を使う。しかしスキルは高いので最終的には勝つ。さらにイケメン設定なのでリスタからチヤホヤされている。

では、よくあるなろう系と何が違うのか?どこが面白いのか?その理由は大きく2点ある。

1点目はギャグ要素だ。正直序盤〜中盤にかけてはこの要素で持っていると言っても過言ではない。基本的に聖哉がボケ(真面目系空気読まない失礼系ボケ)で、リスタがツッコミだ。序盤の二人のやり取りを以下に引用する。

神界に召喚されてリスタから世界を救う勇者だと言われた時のやり取り

リスタ:「アナタこそ異世界『ゲアブランデ』を魔王の魔の手から救う勇者なのです」

聖哉 :「いきなり得体の知れない珍妙な者にそんなことを言われてもな」

リスタ:「珍妙?!それって私のこと!!?」

リスタ:「得体の知れないものではありません。私は女神。勇者であるアナタを召喚した天上の女神なのですよ」

聖哉 :「本当に神ならお前がその何とかいう世界を救えばいいだう?」

リスタ:「ル、ルールがあるのです。神は人間が人間達の手によって繁栄するように無数の地上世界を作ったのです。だから人間の世界を救うのは人間達自身でないとダメなのです」

聖哉 :「拒否権はないのか?」

リスタ:「そんなものはありません」

聖哉 :「自由裁量権は?」

リスタ:「ありません」

聖哉 :「ルール改正のための選挙権は?」

リスタ:「ないって!!」

聖哉 :「ふんっ、虫の良い話だ」

出典:慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~(prime video)

 

その後異世界に行くには準備が必要だと神界にとどまってトレーニング(筋トレ)をしているところに差し入れを持っていく時のやり取り

リスタ:「お腹空いてるでしょ? 一応、ご飯作ったんだけど」

聖哉 :「……コレは?」

リスタ:「聖哉って日本人でしょ! 私、実は結構日本に詳しいのよ! ホラ、おにぎり! こっちには梅干し、こっちは鮭が入っていてね、」

聖哉 :「得体の知れない者が作った、得体の知れない物か」

リスタ:「!? 失礼にも程があるでしょう!?」

聖哉 :「お前が先に食え」

リスタ:「なっ!?」

聖哉 :「毒が入っているかも知れんからな」

リスタ:「アンタに毒を盛る理由がある!?」

リスタ:「ホラ!! 大丈夫でしょ!! ったく、一生懸命作ってげたのにさ!!」

聖哉 :「ふむ。速効性の毒は入っていない……か」

リスタ:「遅効性の毒も入ってねーよ!!」

出典:慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~(prime video)

これである。普通召喚されれば「女神様すごい」となるが一切敬わず信じない発言の数々。そしてリスタのテンポの良いカミソリのようなツッコミ。終始こんなやりとりがなされているので何も考えずに見ていても普通に面白い。私が抜粋して紹介するよりご覧いただけた方が面白さを実感できるので是非まずは1話だけでもみて欲しい。Prime Videoのリンクはこちらから

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普通のなろう系との違い2点目は「性格:ありえないほど慎重」の理由である。
1-5話はまさにその慎重さゆえの発言、行動をギャグを交えて見せられるが、6話で転機が訪れる。ここで聖哉は、慎重さの理由が「自己保身」や「世界を救う」であれば絶対に取らない行動をとる。

では彼の行動原理はなんなのか?他者に何を言われようが、どれだけ疎まれようが自分の信念を曲げないのは何故なのか?それは如何にして形成されたのか?
これは物語後半で明かされる重要ネタバレなのでここでは記載しないが、1話から無数にある伏線を全て回収する最終回は、深いカタルシスを得られること間違い無いので是非1話から通してみて欲しい。

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ここからは蛇足だ。私は基本的に慎重勇者をレコメンドしたくてこの記事を書いている。
しかし、それだと給料泥棒と言われてしまう。従ってそれらしいことを考えてみる。

つまり、リーダーシップといった類の話だ。

聖哉は慎重だ。さらに周囲の言うことを聞かない。傍若無人な態度をとる。一見すると傲慢不遜にも見える。
しかし、外部から見えるこれらの行動は、ある行動理念に基づいてのものである。絶対に達成するというものを軸に、それ以外のものを捨て去り惑わされず、一心不乱に愚直に行動する。

聖哉をみていると、「ビジョナリー・カンパニー4」の10X型リーダーを思い出す。

10X型リーダーとは何か?

10X型リーダーの前に、そもそもビジョナリー・カンパニーとは何かを簡単に説明する。

ビジョナリー・カンパニーとは1994年にジム・コリンズによって執筆されたビジネス書、またはそのシリーズのことをさす。1~4+αがあり、中でも2はニューヨーク・タイムズ誌、ウォール・ストリート・ジャーナル誌、ビジネス・ウィーク誌のベストセラー・リストに長期にわたって留まり、ハードカバー版の販売は250万部を上回り、32の言語に翻訳された。

大変有名な本なのでビジネスマンならほとんどの方が名前を聞いたことがあると思う。読んだことがあるという方も多いのではないだろうか。

シリーズ通して共通するのは実在する会社を条件で絞り込み、対照企業と比較することで違いを見つけ、成功する要因(または衰退する要因)をあぶり出そうというアプローチ方法だ。それぞれの本を一言で表すと以下となる。

  • ビジョナリー・カンパニー1:偉大な企業であり続ける方法
  • ビジョナリー・カンパニー2:優良企業から偉大な企業になる方法
  • ビジョナリー・カンパニー3:偉大な企業から衰退してしまうプロセスとそれを防ぐ方法
    (読んで無いので詳細不明)
  • ビジョナリー・カンパニー4:不確実性の時代に飛躍する方法

ちなみに、1,2に関しては出版順でいうと1→2だが、企業の成長を考えるなら2→1の順だ。(著者もそう言っている)
また、4に関しては2の現代版というか、2が比較的変化の少ない安定した時代に分析されたもので、4は変化の多い不確実な時代に分析されたものという位置付けだ。

では、10X型リーダーとはなんなのか?
これは4にてジム・コリンズらによって作られた造語で、10X型企業(不確実でカオス的な業界に所属しており、所属業界の株価指標を少なくとも10倍以上上回る株価パフォーマンスを記録した企業)を成功に導いたリーダーを指す。(ちなみに「10X」は「テンエクサ」と読む)

インテル、マイクロソフト、サウスウエスト航空などが10X企業としてあげられ、それらを率いたアンディー・グローブとゴードン・ムーア、ビル・ゲイツとスティーブ・バルマー、ハーブ・ケレハーなどが10X型リーダーとしてあげられている。

10X型リーダーに共通する3つの主要行動パターンとその原動力をまとめたものが下図「10X型リーダーシップ」だ。

出典:ビジョナリー・カンパニー4 自分の意志で偉大になる (Japanese Edition) (Kindle の位置No.541)

それぞれの説明をビジョナリー・カンパニー4から引用する。

行動パターン1:狂信的規律

・狂信的規律。10X型リーダーは、一貫した価値観、一貫した目標、一貫した評価基準、一貫した方法をはじめ、徹底した「行動の一貫性」を示す。長い時間を経ても行動がぶれないということだ。一貫性を保とうとするからこそ断固たる対応をするし、まるで偏執狂のように目標に向かって突き進むのである。

出典:ビジョナリー・カンパニー4 自分の意志で偉大になる(Kindle の位置No.956-959)

行動パターン2:実証的創造力

・実証的創造力。不確実な状況に直面するとき、10X型リーダーは他人や社会通念、権威筋、職場の同僚を見て手掛かりを探ることはない。科学的に実証できる根拠を頼りにする。自らじかに観察し、実験を重ね、具体的な事実と向き合うのだ。実証的な基盤をしっかりと築くからこそ、大胆で創造的に行動できる。

出典:ビジョナリー・カンパニー4 自分の意志で偉大になる(Kindle の位置No.960-962)

行動パターン3:建設的パラノイア

・建設的パラノイア。10X型リーダーは、良い時でも悪い時でもガードを崩さない。潜在的脅威や環境変化がないか監視するため、常に高感度なアンテナを張っている。順風満帆なときであればなおさら警戒心を強める。ひょっとしたら最悪のタイミングで状況が突然悪化すると信じているからだ。このような警戒心や不安をテコに行動しているのが10X型リーダーだ。最悪の状況を想定して日ごろから準備を怠らず、有事対応策を練り、衝撃緩和の仕組みをつくり、安全余裕率を高める。

出典:ビジョナリー・カンパニー4 自分の意志で偉大になる (Kindle の位置No.963-967)

原動力:レベルファイブ野心

10X型リーダーを見ると、もの静かな人がいる一方で、派手な人がいる。カリスマ性を欠いている人がいる一方で、磁石のように人々を引き付ける人がいる。控えめな人がいる一方で、きらびやかな人がいる。退屈してしまうほど凡庸な人がいる一方で、単なる奇人がいる。実は、以上の相違はどうでもいいことだ。意味があるのは性格の違いではなく、自己を超越した大義のために全身全霊をささげているかどうかなのである。

出典:ビジョナリー・カンパニー4 自分の意志で偉大になる  (Kindle の位置No.875-879)

慎重勇者と10X型リーダーが重なる点

次に、上記の主要行動パターンを「慎重勇者」の聖哉と照らし合わせてみよう。なお、レベルファイブ野心はネタバレになるのでここでは論じない。

慎重勇者のもつ狂信的規律

10X型リーダーは手加減しない。偏執狂的さえある。自らの探求に集中して決して妥協しない。長いものに巻かれないし、好機到来と見えるシチュエーションでも自らの探求に無関係であれば飛びつかない。

聖哉は自分の目的のために決して手加減しない。

街の人が敵に人質に囚われても準備(筋トレ)を優先する。住民に嫌がられても敵の残骸を燃やし尽くす。仲間が善意や貢献の気持ちから戦おうとするのをとめる、無視する。強敵に出くわしたら速攻で逃げる。魔王を倒す剣を入手できる可能性を投げ捨てる。など。

「目的」の部分をネタバレしないように書くと伝わりづらいが、これらの行動は全てある目的のために一貫している。どれだけヘタレだ、怖がりだ、変人だ、失礼だと言われてもやめない。まさに狂信的と言っていいほど一貫している。

慎重勇者の実証的創造力

10X型リーダーは「普通こうするだろう」と言う行動を取らない。別に権威を嫌っていたり、非迎合主義・独立独歩を目的化しているわけではない。実証主義を徹底した結果そうなっていると言うだけだ。癌治療の際は通常この治療法を行う、南極探検の際のベースキャンプは普通ここを使う、などの常識は信じない。実際に自分で調査した結果のみを信じる。

聖哉は権威や一般論を信じない。

神界に召喚されて目の前の人物から神だ勇者だと説明されても、自分の目で確かだと思える根拠を見るまで信じない。人間には絶対に習得不可能な技だと神から言われても「本当にそうか試したらどうだ?」と一蹴する。信頼するものからの差し入れも毒味をさせる。安全な場所だと言われても初めて行く場所は遠くから一瞬だけ偵察を行うなどしてからじゃ無いと足を踏み入れない。など。

自分の直感を優先しそれを検証する。社会通念や権力の意向に耳を貸さない。実証的創造力が高い。

建設的パラノイアを体現する慎重勇者

10X型リーダーは建設的なパラノイア(偏執病:不安や恐怖の影響を強く受けている)だ。どんなに良いときも最悪のシナリオを考えて準備する。

聖哉はこの特性を体現している。

リスタに「かもしれないおばけ」と言われるのに象徴されるが、初対面の人間は基本的に敵かもしれないと言うスタンスで接している。初対面でなくても敵にすり替わっている、敵に洗脳されているかもしれないというスタンスを崩さない。

どんな強敵に出くわしても最終的に勝つが、これは先見性があると言うよりは最悪のシナリオを考え、それに対処できる入念な準備を行なっているからだ。敵を倒した後跡形がなくなるまで焼却するか地中深くまで埋める(地殻の熱で焼却している)(小説版の2部以降の話)が、これも敵が生き返ってくるかもしれないという偏執的な考えからの行動で、実際この行動によって危機を免れるエピソードがある。

10X型リーダーになる方法

ここまで慎重勇者と10X型リーダーとが重なる点を見てきた。
では我々はいかにして慎重勇者、もとい10X型リーダーとなり、周囲の意見に流されないようになれるのだろうか?

慎重勇者はどのようにして主要行動パターンを手に入れたのかを考えてみよう。

彼の場合、原動力の力によるところが大きい。つまりどうしても達成したい、自己を超越した大義が彼をそうさせるのである。その大義の獲得経緯は完全にネタバレになるので詳しく書けないが、もともと別の性格だったものが、ある衝撃的な出来事をきっかけに全く変わっている。生死を伴うような、辛い経験から、ある大義が心の奥深くに刻み込まれ、彼の原動力となり、その結果主要行動パターンが発露していると言う関係性だ。

そうなると「周囲の意見に流されない」ために我々はどうしたらいいのだろう?死にそうな経験をすればいいんだろうか。これを深掘りすることでは再現性のある方法を見つけることは難しそうだ。(自己のトラウマやコンプレックスを深く見つめ直し、理解・受容するというアプローチはあるので、これはこれで取り組む価値があるテーマではある)

問題の見方を変えてみよう。2つの見方を考えてみた。

1 思考が先か、行動が先か

上記の問題の見方は、原動力となる大義(思考)があり行動につながると言う考え方だ。引き寄せの法則(未読である)などもこの考え方だ。マザーテレサもこんなことを言っていた気がする。

一方、行動が変われば思考が変わると言う考え方もある。経験学習などはこの考え方だと思う。

ちょっと違うかもしれないが、人体が行動を起こす時に、動こうと考えてから体が動くと考えがちだが、実際は違うらしい。
実は、意識が「動こう」と考える前に前頭前野(運動をプログラムする部分)が動きだし、その後に「動こう」という意識が発露するとのことだ。(参考:OXFORD ACADEMIC「BRAIN」

さらに逸れるが、感情と行動も因果関係では無いらしい。
怖いという感情は大脳皮質で生み出されるが、それを生み出す元は扁桃体にあり、扁桃体が動くことで逃げると言う行動が起こると言う関係のようだ。つまり、怖い(感情)→逃げる(行動)ではなく、扁桃体の活動→逃げる(行動)と、扁桃体の活動→怖い(感情)は別々に動いている。(参考:進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線P172-173

この辺りの脳科学、神経伝達物質の関係性はいずれ調べてみようと思う。そして今回はとりあえず行動が変われば思考もいずれ変わるのでは無いか?という前提で考える。

実際、ビジョナリーカンパニー2の中でコリンズは以下のように述べている。

「第五水準のリーダーシップとその他の要因の間に切っても切れない関係があることが分かった。一方では、第五水準の特徴があれば、他の要因を実行できる。その一方で、他の要因を実行していけば、第五水準に達しやすくなる。」

出典:ビジョナリー・カンパニー 2 – 飛躍の法則

また、ビジョナリーカンパニー4でも同様の発言をしている。

「もしあなたの会社が同様の概念や手法をしっかりと採り入れたら、10X型リーダーが経営するような会社にぐんと近づくだろう。」

出典:ビジョナリー・カンパニー4 自分の意志で偉大になる

では具体的にどんな要因(行動、仕組み)があるのか?

10X型リーダーがとる行動として「二十マイル行進」「銃撃に続いて大砲発射」「死線を避けるリーダーシップ」「具体的で整然とした一貫レシピ」などがある。これらを実践することで10X型リーダーに近づけるものと考える。
また、10X型リーダーとほぼ同じ概念で、上で軽く触れた「第五水準のリーダー」と言うものがある。

これはビジョナリーカンパニー2で出された概念で、10Xリーダーとの違いは不確定性の高い世界か否か、謙虚さによりフォーカスしているという点であるが、私の理解では基本的に同じものだと考える。第五水準のリーダーで重要になってくる「ストックデールの逆説」「赤旗の仕組み」「針鼠の概念の獲得」なども合わせて実践することで「周囲の意見に流されない」ようになれると考える。

それぞれの要因の詳細は原典、または解説書などを参照されたい。

2 洗脳を洗脳で上書きする

そもそも私たちはなぜ周囲の意見に流されてしまうのだろうか?

例えばなぜ権威の言葉に習ったり、先進的な企業の取り組みを模倣したりするのか?
自社とその企業は同じでは無いし、環境も異なるし、権威も実践したわけでは無いのになぜか。成功確率が上がると思っている?おそらくそうでは無い、だって同じことしても失敗することがあるのはデータで見ればわかる。

もう一つ別のシーンで考えよう。
なぜ上司のアドバイスを断れないのか?自分にとって重要だけど緊急では無いタスクをないがしろにして、同僚が困っている緊急の「雑用のようなもの」を優先してしまうのか?

なぜならばそう洗脳されているからだ
つまり、我々は幼少期から「わからないことは調べましょう」「先生の言うことを聞きましょう」と言われ続けてそう言うものだと刷り込まれているのであり、後者の例では「相手の親切を受け入れないのは失礼だ」「みんなで助け合いましょう」「我慢しなさい(自分の感情より他者の感情を優先しなさい)」というふうに刷り込まれてきたのだ。

ではこの、幼少期からの強固な洗脳を解いて、新たに「自分が重要だと感じるものを最も優先する」という内容で洗脳し直すにはどうしたら良いか?

これについては現時点で事例を調査できていない。

ビジョナリー・カンパニーにはカルトのような文化がある。そこに染まるプロセスを紐解いていくことで有効なナレッジを発見できる可能性がある。それで見つからない場合カルト宗教や普通の宗教(普通ってなんだ)の改宗の事例を紐解くことで見えてくるものがあると考える。キーとなるのはこれらは組織・団体による洗脳であるので、個人でそれを行う場合にどのような要因を活かすことができるのかを考えるということだ。

私は個人的に、このあとこれらを調べるが、あなたも是非どのようなナレッジが使えそうか事例を調べてみて欲しい。そして結果はfacebooktwitterのコメントに書いていてもらえると嬉しい。(慎重勇者の感想も是非コメントに!)

終わりに

ここまで慎重勇者の話からビジョナリーカンパニーにおけるリーダーの行動パターンとその再現方法をみて、どうしたら周囲の意見に流されなくなることができるかを考えてきた。

今回この記事を書いたのは、先に述べた通り、八割方 慎重勇者を見て欲しいと言う思いからだ。Prime Videoでは今でも無料で見れるので是非見て欲しい。小説版ではアニメのラスト以降の話も読めるので、興味を持った方は小説版も読み進めてみて欲しい。
私は現在、100%在宅勤務となり運動不足甚だしいので、ウォーキングしながら小説版を全話Siriで音声再生して聞いていた。(Siri だと聖哉[セイヤ]を[セイサイ]と読むのを何とかして欲しい。)

残りの二割は個人的な悩みからだ。どうやったら周囲に振り回されない人物になれるのだろうと考え今回調べてみた。

一厘くらいは今の不確実性が高い世の中で、各企業の取る行動に疑問があったというのもあるかもしれない。

COVID-19流行や国家リーダーの変更等不確実性が高まっている。AI、クラウド、DXともてはやされているが場当たり的、楽観的に試してみるだけではなく、自社の提供価値を考えて本質的にこれらを使い、実行できている企業がどれだけあるのだろうか。今一度、針鼠の概念にあるように「自社が世界一になれるもの」「経済的原動力になるもの」「情熱をもって取り組めるもの」はなんなのかを考える必要があるのでは無いか。

補足1

ダニエル・カーネマンがファスト&フローでビジョナリー・カンパニーで上げられた企業はその後あまり発展しておらず、よい収益を上げていたのは運の要素であり、全ては平均への回帰で説明がつくと発言している。
この発言へのカウンターなのか不明だが、コリンズはビジョナリー・カンパニー4の中で「偉大なスポーツチームが偉大でなくなったからといって、その全盛期を研究して偉大なスポーツチームを築くヒントを探る意味がなくなるわけではない。」と言っている。

何を信じるかはあなた次第だ。

補足2

Prime Videoの「ダンベル何キロ持てる?」もなかなかに狂っていて面白く、ためになるのでおすすめする。

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WRITER
Yoshitsugu Miyazaki

データサイエンティスト / ディレクター

宮崎   義継 Yoshitsugu Miyazaki

大手生保系SIer、TOCによるマネジメント変革、Windsurfing labプロジェクトでの組み込み開発及び事業開発を経て2019年11月より富士通クラウドテクノロジーズに入社。データ活用サービスの構築及び企画を担当。

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