学校教育の情報化とAI

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皆さんこんにちは。データデザイン部ディレクターの佐藤です。
今回は日本の学校教育の現状や、学校教育の現場で想定されるAIの活用などについて私なりにまとめていきたいと思います。

目次

1. 学校教育の現状と今後

この記事を進めていくにあたって、まずは日本の学校教育の現状を確認していきます。

昨今、日本の学校教育の情報化が課題として挙げられていますが、新型コロナウイルスが流行したことで、学校教育の情報化を進めようという意識が、世の中的にも高まりつつあります。オンライン授業、という言葉もだいぶ浸透してきましたね。
文部科学省は、この課題に対する取り組みをGIGAスクール構想として取りまとめています。

出典:PDF「GIGA スクール構想の実現へ(文部科学省)」

生徒一人につき一台、タブレット端末の配布が進められているのもGIGAスクール構想の一環です。
今後の展望としては、学校にICT環境を整備し、学校でのデータ利活用を活発化させることが想定されています。
データの利活用となれば、ここはAIの出番ではないでしょうか。

2. 学校教育におけるAI活用例

学校教育においてどのようにAIを活用できるか、例を3つほど紹介していきます。

活用例①

先ほどタブレット端末の配布が進んでいると述べましたが、端末に搭載したAIアシスタントやスマートスピーカーを英語の学習に役立てることが可能です。生徒一人一人に対話相手を設置し、発音の確認やリスニングの練習に活用できます。音声認識や自然言語処理の精度が肝となりますが、比較的実現のハードルが低いAI活用例になります。
参考:英語の発音矯正に役立つ「Siri」の意外な活用法(東洋経済ONLINE)

英語スピーキング評価AIというものもあり、こういったサービスをタブレット端末と連携するとより本格的な学習につながるでしょう。
参考:英語スピーキング評価 AI「CHIVOX」

活用例②

AIに各生徒の苦手分野を分析させることで、各生徒に対して苦手克服のためのアプローチを提案することができます。いわゆる、学習の個別最適化(アダプティブラーニング)というものです。これにより、生徒のテスト勉強効率や教員の生徒に対する指導効率が向上すると考えられ、既に学習塾や学習支援アプリでは導入が進んでいる活用例です。
参考:AI教材「atama+」

活用例③

画像解析の技術を用いれば、テストを自動採点してくれるAIを導入できるでしょう。そうすることで、現在問題視されている教員業務の負担を軽減できるはずです。
ちなみに英検ではAIによる自動採点を導入しているそうです。
参考:PDF「AIによる自動採点実証研究で有意な成果(公益財団法人 日本英語検定協会)」

上記で紹介した以外にも活用例は考えられると思いますが、今回の紹介はここまでとさせていただきます。

3. AIを活用する際の注意点

学習の個別最適化ができたり、教員の業務を効率化できたりと、学校教育におけるAIの活用は有益そうであるということがわかりました。

しかし、良いことばかりではありません。AI活用に関して私が思う注意点を一つ紹介させてください。それは、AIが学習に対する道筋を提案できてしまうことで、生徒の学習に対する能動性が失われる可能性があるということです。

学習において「テストの点数が100点だった」や「苦手分野を克服できた」というような結果も重要ですが、その結果に至るまでのプロセス(生徒がどのように考え、行動したか)も重要であると考えます。むしろ、生徒の成長には後者の方が大きな影響があるでしょう。

学習を個別最適化したことで生徒自身が学習プロセスを考えることが減り、生徒の成長機会を奪うことは避けなければなりません。学校教育の現場に限ったことではありませんが、AIの用法用量というものを考える必要がありそうです。

4. AI導入に立ちはだかる問題

上記でAIの活用例や、活用にあたっての注意点を記しました。しかし、AI活用の前にAIを導入する際に浮上する問題に目を向ける必要があります。
AI導入に立ちはだかる問題として、費用とデータの二つに着目したいと思います。
これらの問題は一般企業であっても簡単に解決できるものではありませんが、学校においても難しい問題です。

AI導入にかかる費用については以下の記事が参考になるかと思います。

コストを抑えるための案として一つのAIモデルを流用することが挙げられます。しかし、流用するためには流用対象としたい学校についてデータ形式が統一されていないと、スムーズに導入できないかもしれません。都内の公立小学校だけでも1300校近くありますので、データ形式の統一は大きな課題となりそうです。(既に統一されていればよいのですが…)

データの扱いにも注意しなければなりません。学校に導入するAIの開発を企業に依頼することになった場合、生徒に関するデータを企業に提供する必要があるかもしれません。データ提供について関係者(生徒や保護者等)全員が同意してくれるのであれば話が速いのですが、難色を示す方も少なからずいるでしょう。こういったときに、どのように対応すべきか考える必要があります。

5. 最後に

最後までご覧いただきありがとうございます。今回はAIと学校教育の関わりについてまとめてきました。
本記事では今後のAI活用を想定してきましたが、既に活用している学校もあるようです。
AIの導入スピードについては自治体の取り組みや、学校の設置者による区分(公立、私立、国立など)でギャップが生じてしまうのは仕方のないことです。
ただ、AIをうまく活用すれば恩恵を受けられることも確かなので、国や自治体、企業が協力してなるべく早くAIの活用体勢を整え、学校教育というものがより豊かになってほしいと思います。

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WRITER

Takumi Sato

佐藤   拓己 佐藤拓己

データデザイン部ディレクター。 お客様のデータ活用を幅広くご支援。

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