データ分析基盤開発は丸投げできない! ユーザー企業に必要な考え方と準備

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こんにちは。データデザイン部の福本です。
主にデータエンジニアとして、データ分析基盤の設計構築を行っています。

今回はデータ分析基盤と業務システムの違いと、それを踏まえてユーザー企業はどう対応していく必要があるのかについて書いていきます。

データ分析基盤の性質

主役は機能ではなくデータの「活用」

業務システムは多くの場合、そのシステムが完成して使える時点で目的を達成できる、すなわち機能=価値であるケースが多いです。
一方データ分析基盤の主役はデータであり、収集や分析ができるという機能は手段にすぎません。
また、そのデータも意思決定に使われて初めて価値を発揮します。
つまり機能≠価値となるので、ただ使うだけではダメで、目的をもって活用する人がいなければそこからは何も出てはきません。
そのため、データを分析したうえで何がしたいのか=どんな価値を出したいのかをある程度具体的にイメージできることが望ましいです。

既存システムとの連携

データ分析基盤は、データ取得からすべて作る場合を除いて、データの源泉となる既存システムとの連携が不可欠です。
実はこれがデータ分析基盤を開発するうえで一番難しいところです。
業務システム開発でも必要なドメイン知識に加えて、既存システムのデータや使われ方、特有のデータの読み方なども理解する必要があります。
また、これらの情報取得のためのコミュニケーションの質や速度はプロジェクトの進捗に大きく影響しますし、場合によっては大きな手戻りの原因となります。

変化することが前提

データ分析基盤は活用していくためには、業務システムよりもずっと早いサイクルで継続的なエンハンスが必要になります。
データそのものは、多くの場合時間と共に傾向が変化していきますし、ビジネスの状況によって必要な分析要件も変化していきます。
それに合わせて必要に応じてデータソースを追加していく必要もあります。
データ分析基盤は機能≠価値と書きましたが、本質的な価値がシステムの外側にある分、その変化も早いと言えるのかもしれません。
そのため、その変化の速度に常に対応できる設計だったり体制だったりが不可欠になります。

円滑に進めるためには

データ分析基盤導入目的の明確化

会社・事業としてどんな意思決定をしていく必要があるのかを自分たちで語れることが非常に重要です。
ベンダーの提案や事例ベースで作っていくことも不可能ではないですが、それだとどうしても人任せを抜け出せません。
体感ではありますが、目的が抽象的なまま導入されたデータ分析基盤はあまり活用されない傾向にあります。
自分たちの軸があったうえでデータのスペシャリストに相談できるとスムーズに議論ができますし、その後の活用も主体的に検討していけるので、当然導入効果も変わってきます。

最近はデータ活用がメガトレンドとなっており、流行りや焦りから導入を検討する企業も増えていますが、何故今それだけ注目されているのかを正しく理解したうえで、自分たちに当てはめて熟考する必要があります。
データが意思決定に役に立つユースケースを洗い出せるぐらいまで具体的に検討してみることをオススメします。

既存システムにもメリットのある仕立て

既存システムとの連携の際に十分な協力を得られないというパターンは意外と多いです。
担当者にも自分の業務があるので、どれだけデータ分析基盤が重要であっても一方的に負担をかけるようなやり方は好ましくありません。
既存システム側だと難しいデータ加工や、計測できていない指標の自動計測といった機能を提供できると、お互いにとってプラスになるため協力を得やすくなりますし、そのコミュニケーションから新しい分析の切り口が見えてきたりします。
繰り返しになりますが、正しく収集分析する上でデータ源泉の仕様や読み解き方は不可欠な情報なので、ここの連携は非常に重要です。

社内推進者・エンジニアのアサイン

まず、社内の意思決定においてリーダーシップを取れる推進者を立てましょう。
単なる担当・調整役ではなく、データ活用の目的を考えて主体的に推進できる人が必要です。
次に、エンジニアもアサインすることが望ましいです。
前述の通り、データに合わせてシステムも変化させていく必要があるため、システムを理解して継続的に改善をしていくためのメンバーが必要です。
こちらも従来の運用担当のような役割ではなく、技術的観点で主体的に考えられることが望ましいです。

データは解釈して初めて意思決定の役に立つため、自分事にして自分の頭で考え続けられる人がいるかどうかは非常に重要です。
こういったメンバーによって徐々に社内の判断で推進できる範囲を増やしていくような動きができるとベストです。

契約形態を変えるのも有効

システム開発は請負での契約がほとんどですが、継続的な機能改善が必要なデータ分析基盤開発では継続した毎月の稼働契約でアジャイルに推進するというのも一つの手です。
こういった契約は会社によっては実現が困難な場合がありますが、可能な場合は一考してみる価値はあると思います。
このようにすることで、納品物を明確に定義しない代わりにその時々の一番ホットな課題に素早く対応できるメリットがあります。
また、社内メンバーが密に連携することで、必要な考え方やスキルセットを徐々に身に着けることも可能です。

注意点としては、ウォーターフォール開発型のプロジェクトとはまた違った経験やスキルが必要な点や、納品物の定義が曖昧になりがちなので、両社間のコミュニケーションや信頼関係構築が非常に重要な点が挙げられます。

最後に

データ分析基盤は主体的な活用が大事で、丸投げしてシステムだけ完成しても上手くいかないことがご理解いただけたかと思います。
私たちデータデザインチームでは、データ分析基盤構築のご相談はもちろんのこと、データ活用の前にデータの質をレポートするデータアセスメント、活用方針のアドバイザリー、収集したデータを利用した機械学習モデルの開発など幅広く対応可能です。
データ基盤に追加してご利用いただける衛星データ統計データの販売も行っています。
何かご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にご相談ください。

最後までお読みくださいましてありがとうございました。

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WRITER
Kazuya Fukumoto

エンジニアチームリーダー

福本   和哉 Kazuya Fukumoto

主にデータ分析基盤の設計構築や、開発プロジェクトのPM・PLを担当。JDLA Deep Learning for GENERAL 2018 #1、認定スクラムマスター(CSM)、GCP Professional Cloud Architect

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