withコロナでのフルリモート勤務のつらみ(後編)〜ニューノーマルでのテレワークのコツはゆるゆるの会話にあった〜

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昨年8⽉にwithコロナでのフルリモート勤務のつらみ(前編)〜ニューノーマルでのテレワークのコツはゆるゆるの会話にあった〜という記事を書いた。

間が空いてしまったが続編を書く。
前編の要約は以下のようになる。

  • テレワークが増えてコミュニケーションにやりづらさを感じている
  • 具体的には「質問しづらい」「相談しづらい」と感じている
  • 原因は2つある
  • リアルタイム性 – ツールの特性を考慮せずにチャットツールで⾊々済まそうとしてしまう
  • シリアスファンな場の⽋如 – ツールがあっても⽂化やマインドが追いついていない
  • 「質問しづらい」はチームの分担やツール利⽤法を⼯夫すれば解決しそう
  • しかし「相談しづらい」は難しい
  • これを解決するにはいくつかのステップが必要だ

今回はこの「相談しづらい」を解消する⽅法について記述する。

その前に⼀つ謝罪がある。
タイトルや前編の引きから「回答がある状態」で記事を書いているようにミスリードしたと思う。申し訳ない。答えはなかった。あるのは試⾏錯誤の結果だけだ。

従ってこの半年間、「相談しづらい」を解消するために試⾏したこと、そのまとめを記す。

試⾏1:Discordを使った常時接続型⾳声雑談

概要

Discord(ディスコード)はいわゆるボイスチャットサービスだ。
ゲーマーがゲームをしながらマイクで会話する⽤途で使われるのが主流ではないかと思う。
ボイスチャットチャンネル(テキストや動画も可能)を作成でき、チャンネルをクリックして⼊ることで同じチャンネル内の⼈と会話できるようになる。

Discordの画⾯ 左が⽬的別のチャンネル(テキストとボイスチャンネル)
右が友達のリスト(オンライン・オフライン)、真ん中がテキストチャンネルのやり取り

わざわざ話しかけたり、アポを⼊れてまで会話したい訳ではないが、ちょっと話したい・相談したいというときにチャンネルに⼊っていたら誰かが来てくれて会話でき無いか、という考えからDiscordを導⼊しようと考えた。

社内で利⽤するには外部サービス利⽤の⼿続きなど⾯倒なように思われたのでまずは友⼈と試してみることにした。
去年(2020年)の7⽉〜8⽉に主に利⽤した。

前編を書くにあたってもDiscordのボイスチャットを利⽤して友⼈に相談しながら考えを整理した。

良かった点

Zoomなどと違って各⼈のオンライン、オフラインステータスや雑談チャンネルに⼊っているか作業中(だけど話しかけていいよ)チャンネルに⼊っているかなどが⾒えるので「今話しかけていいんだ」がわかって話しかけやすい。

ボイスチャンネルに⼈がいなくても、「ちょっとこんな内容で今悩んでるんだ」とテキストチャンネルに書き込んでボイスチャンネルで待ち構えていると暇な人余裕のある優しい⼈が⼊ってきてくれる。

残念な点

Discordは職場で利⽤した訳ではないので想像の域をでないが、良い点の2点⽬の利⽤法をしようとするとテキストチャンネルに書き込んだ時点でサーバー参加者全員に通知がいってしまうと思われる。それはうざい。

サイレントチャンネル(通知と未読表⽰画されない)にしたり、利⽤者側で通知を制御したりは可能だろうが、運⽤が煩雑になったり邪魔な通知が来たりなど、ちょっと難しいこともありそうだ。

slackでも同様に通知範囲の問題(@here vs @個⼈メンション 問題)が発⽣していたが、Discordでもpush型でコミュニケーションを取ろうとすると同様の問題が発⽣する。

この辺りはやはり場に対する認識やルール、チームの関係性に⼿を⼊れなければ解消しないように思われる。

試⾏2:定期的に気軽に会話できる場を儲ける

上記のようにpush型コミュニケーションの場合問題は残るが、「気軽に声をかけられる場」を創出するという意味でDiscordを社内に導⼊するのはかなり「有り」だと思っている。

しかし先に述べたように新しいツールを導⼊するには制度上の問題が多い。さらに今私が感じている問題に合意してもらう必要や、解決の⽅向性(新しいツールを導⼊する)などを考慮すると直近のアクションとしては難しいと考え、⼀旦社内導⼊は保留とした。

そこで既存ツールのZoomを使って定期的に気軽に相談できる場を作ることにした。

私は業務でブログの校正(今皆さんが読んでいるこのブログだ)を⾏なっているので、「ブログのテーマで悩んだり、どういう⾵に書いていくか悩んだ時の相談の場」として毎⽇14-15時にZoomを⽴ち上げるようにした。
この施策は昨年9⽉〜11⽉に実施した。

良かった点

それなりに参加する⼈がいた。チームの半分ほどが参加した。複数回参加する⼈もいた。
私としてはチームがどんな案件をやっているのか、どんなことを考えているのかなどを把握できた。

残念な点

チームが本当に悩んでいることを会話することができなかった。
本末転倒だが、場の⽬的が「ブログを書く」になっているため「何を書く?」「どう書く?」という会話に重きが置かれ、ブログに書けなそうなこと以外を会話することが難しかった。

そりゃそうだ。

「悩んでいる→相談会で壁打ちして整理する→解決する→ブログに落とし込む」という流れが作れるのではという思惑ではあったが、このプロセスではブログ化までの流れが⻑い。
チームには「ブログは案件などを通じて得た知⾒を再編集して書く」という前提認識がありそうで、私も確かにそれはブログの⼀つのあるべき姿であると考えこの場はそういうものとして割り切った。(=つまり当初の⽬的とは違う場として運⽤することとした。)

代わりにというか、私発案ではないコミュニケーションの場が提起されている。

上記内容を⾒てもらうとわかるが、つまり下図の右側に属するコミュニケーションが減っていることを懸念してのアクションをしてくれているということだ。

私の問題意識は主に右下が少ないということだったが、テレワーク環境下において単⾝世帯の場合は特に、またそうではなくてもチーム内の右上のコミュニケーションが減っていて問題があるというのは同感だ。

初回開催時は⼦供の迎えがあり参加できなかったため、次回は参加し、どのような場になるのか、場にしていくのかなど積極的に関与していきたい。

試⾏3:1on1の場の活⽤

前編を書いた2020年8⽉頃、会社としても何かしら⼿を打つ必要があると考えた結果、ラインケアの強化として1ヶ⽉に1度だった1on1を隔週開催するようになった。

1on1とは

「1on1」ミーティングとは、定期的に上司と部下が1対1で話し合うことを⾔います。⽶国シリコンバレーでも“1on1 meeting”は⽂化として根付いており、⼈材育成の⼿法として世界的に注⽬を集めています。その特⻑は、上司が部下の成⻑のために時間をつかう、ということ。⽇本ではヤフーが取り⼊れたことで話題になり、現在は多くの企業で導⼊が進んでいます。(2017/7/13掲載)https://jinjibu.jp/keyword/detl/871/

⾊々書いてあるが、1on1とは要は経験学習サイクルを回す場である。具体的には上司からの問いかけに対し、部下が思い出し、話し、学び、⾏動に結びつける場である。

しかし、1on1をそういう場だと認識して運⽤できている幹部社員はそう多くないのではないか。

過去の経験上、上意下達、評価、雑談の場として運⽤されることが多かった。
そのためあまり1on1に期待していなかったが、現在の上⻑とは対話できる場として機能しているように思う。
なので1on1の30分のテーマとして「直近悩んでいるけどうまくまとまら無いこと」を持っていくことにした。

良かった点

隔週で強制的に場がセッティングされるのでわざわざ⾃分から「相談があるんですが…」と声かけしなくて良い。
かなりの部分、私が課題として感じていた「相談しづらい」はこの場があることで解消したように思う。
1on1はきちんと運⽤できれば偉⼤だ。

残念な点

隔週で強制的に開催と書いたが実は違う。スキップすることができる。
テーマがないんで、忙しいんで、スキップ。
ということができる。

⾃分でも何度かスキップしてしまったが、本来これはあまりよろしくないと思う。
可能であれば1on1前に2週間を振り返ってテーマを考えるべきだし、それが難しいのであれば1on1の場で振り返ってテーマを考えても良いと思う。
そうすることで学習のサイクルを回せるはずだ。

しかし1on1に持っていくものを「直近悩んでいるけどうまくまとまら無いこと」と置いてしまったため、意識下に登っている課題がないという時に「スキップして業務時間に当てたい…」という欲求が出てしまうようになった。
当初の課題解決の場としてはとても有効だと判明したが、本来の1on1としての機能を少し狭めてしまっていたように思う。

今後は事前に振り返るなどして意識にのぼっていない思考を持っていくことや、常にメタ認知を発揮して⾃分を取り巻く状況をみた違和感などを持っていくようにしようと思う。

試⾏4:社外の⼈との会話

話は少し遡るが、私は会社とは別に活動するコミュニティがいくつかあった。
しかし、育児休業・転職・⼦育て・テレワークなどの変化の中で、それらのコミュニティとは疎遠になっていた。

前回の記事を書いた頃、環境変化にも慣れて社外コニュニティの活動もいくつか再開した。
その際、仕事上悩んでいることや普段感じている違和感を話す場⾯があった。
というか話したいという欲求があったのだろう。それで、話した。

この経験から得た気づきは「仕事上の悩みって社内の⼈じゃなくても話して良かったんだ」ということだ。
何を当たり前のことをと思われるかもしれないが忘れていた。
社会復帰し、環境の変化に翻弄されてテンパっていたんだろうか。当たり前のことに改めて気づくことができた。

⼈間、コンフォートゾーンを出てストレッチ、パニックゾーンにいくにつれて視野が狭まるものなのかもしれない。
環境変化や仕事の重圧などにより、⾃分がどうにかしなければ、社内でどうにかしなければと感じている⼈。特に単⾝世帯であったり、新⼊社員や転職者の⽅。
「時間がなくてそんなことしている暇はない」と思われるかもしれないが、⽬を外に向けてゆるく・真剣に話す場を設けることで状況を打開できるかもしれない。

試⾏5:「ちなみに、全然関係ないけどちょっといい?」から始まる場

2020年12⽉末に、おそらくプロモーション施策についてだったと思うが、具体的な課題や⽅針について2⼈で会話する機会があった。
そこで会話がひと段落ついたタイミングで「ちなみに、全然関係ないけどちょっといい?」と気づいたら⾔葉が⼝から漏れ出ていた。

なぜかはわからない。
今なら話せるかも、話したい、と思ったのだろうか。
どちらにせよ⼝から出た⾔葉は飲み込めない。相⼿の反応を待つ。

第⼀声は「ありがとうございます」だった。(はず)
「え?」となる私を他所になぜありがとうかを教えてくれた。
「実は⾃分も同じようなこと考えていて誰かと話したいと思っていた」とのことだ。

私は⽬から鱗が落ちたような気持ちだった。その後はそのテーマについて結論を求めるでもなく思うままに対話した。
さらに「別件だけど私もこんなの考えていて」という別のテーマでも対話できた。

この体験からの気づきは「意外にみんな同じようなことで悩んでいる」「みんなこういう場を求めている」だ。

⽣煮えの状態で話して相⼿の時間を奪ってしまうんじゃないか

こんな考えが頭をよぎるが、ほとんどの場合杞憂だ。
どんどん⾏こう。
Be fantastic – ⼤胆に、ワクワクする仕事をしよう。
Try first – まずは試そう。

チームのValueにある⾔葉

もちろん相⼿の状況やメリットにも配慮する必要はある。
チームメンバーのことをよく知る、というプロセスは重要な要素の⼀つだと考える。

まとめ

前編のラストはこう締めくくっていた。

「相談しづらい」に関しても、「まだゆるゆる状態なんだけどちょっと会話できませんか?」と場をセッティングすることで対処可能でしょう。しかし、これを実現するにはいくつかステップを踏む必要があると考えます。
本記事の冒頭に述べたように、前編を書いた当時この「ステップ」は⾒えていなかった。
しかし今は「まだゆるゆる状態なんだけどちょっと会話できませんか?」と場をセッティングすることができるようになっている。

この間に何があったのか、本記事では5つの試⾏を記した。
振り返ってまとめると⼤きく以下の3ステップがあるのではないかと考える。

  1. 視野を広く持つ
  2. チームを知る
  3. 踏み出す

1. 視野を広く持つ

余裕がない状況では近視眼的になっている。そのこと⾃体に気づけない可能性も⾼い。
意識的に社外のコミュニティに⽬を向けたり上司を活⽤したりして相談してみるとよい。

あなたはそのチームで仕事をしているかもしれないが、あなたが抱えているその問題はチーム内で解決しなければならないわけではないはずだ。

2. チームを知る

余裕が出てきたらチームにも⽬を向けてみよう。
メンバーが何を考えているのかがぼんやりわかってきて、同じようなことに悩んでいる⼈が⾒えてくるはずだ。
何かのタイミングで思い切って話題を振ってみよう。
相⼿のことをよく⾒えていれば「ありがとう」と⾔われる可能性は⾼い。

3. 踏み出す

周囲には関⼼がなさそうだと思える困りごとが残るかもしれない。
問題ない。思い切って相談しよう。
問題ない理由は逆の視点で考えてみると明⽩だ。
それなりに付き合いがある⼈に「うまく⾔語化できないんだけど、今こんなことに悩んでいて、、他に相談できる⼈がいなくて、相談にのって欲しいんだけど時間⼤丈夫?」と⾔われたらどう感じるか?

時間がないのに、うぜぇな

と思うだろうか。

よく相談してくれたな、何か⼒になってあげたいな

と思うだろうか。

相談されるというのは、存外嬉しいことなんだと思う。
この記事が誰かの助けになればと思う。

私でよければ相談にのるので、困っている⼈はお声がけいただけると嬉しい。


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WRITER
Yoshitsugu Miyazaki

データサイエンティスト / ディレクター

宮崎   義継 Yoshitsugu Miyazaki

大手生保系SIer、TOCによるマネジメント変革、Windsurfing labプロジェクトでの組み込み開発及び事業開発を経て2019年11月より富士通クラウドテクノロジーズに入社。データ活用サービスの構築及び企画を担当。

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