withコロナでのフルリモート勤務のつらみ〜ニューノーマルでのテレワークのコツはゆるゆるの会話にあった〜

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴いテレワーク(リモートワーク、在宅ワーク)を導入する企業が増えています。

弊社ではCOVID-19流行以前から割と自由にテレワークできる環境でしたが、流行以後はほぼ全ての社員がフルリモートで働いています。

テレワークのメリットは挙げればきりがないですし、100億%継続してほしいと思っていますがその反面、コミュニケーションに関して 「やりづらいな」と感じていることがあるので今回はそれを書いてみようと思います。

また、文章が長くなってしまったので前編後編に分けて記載させていただきます。

自分なりに原因と対策を出そうと努力していますが、あくまで私見で効果も未知数な点だけご了承ください。

*
はじめに前提を共有しておきます。

私は昨年2019年12月に転職して今の部署に配属されました。
今の部署はAI/データに関するソリューション、プロダクトの提供を行なっており、2-3年の実績があります。

テレワーク時の主なコミュニケーションツールは「slack(ビジネスチャット)」と「Zoom(Web会議ツール)」です。
利用頻度の割合としては slack:Zoom = 9:1 といったところです。
朝会のタスク共有や業務上の報告、連絡、その他会話はほとんどslackで行っていて、複数人で集まって議論するような場合はZoomを使って音声(ビデオオフ)でやり取りしています。

やりづらいなと感じていること

やりづらいと感じていることは「質問しづらい」「相談しづらい」の2つです。

質問しづらい

私は「質問しづらいなぁ」と感じています。

業務上必要ですので質問するにはしますが、いざ質問せねばとなった時、なんだかどうにも身構えてしまい手に汗をかいてしまいます。
ずっとどうにかしたいなと思っていて、この機会に自分なりになぜなのか考えた結果、以下2つの要因に行き着きました。

1. 誰に聞けばいいのかわからない

自分が聞きたいことを誰が知っていそうかあたりがつかないことってありませんか?
私は結構あって、転職してきたから知らないというのもあるかもしれませんが、分業やオンライン化が進むと自分が直接関係していない案件の話などは誰が知っているのかを把握しづらくなるのではないかと思います。

また、誰に聞いても良さそうなことも、逆に誰に聞くべきかわからなくなってしまいます。
社内の申請だとか、昨日の会議で出ていた資料の在りかとか、ちょっと検索して見たけどわかんないなーというものです。

これらは対面だと近くの人に「これ知ってる人って誰ですか?」「ちょっと教えてもらっていいですか?」と気軽に聞けると思うのですが、slackだとこの辺逆に難しいなぁと思ってしまいます。

なぜかというと、聞いた相手に迷惑がかかりそうだなぁと思ってしまうからです。

突然ですけど、「通知」って気になりますよね?
スマホでもLineやFacebook messenger、ニュースアプリの更新などの際、ロック画面や画面上部、アイコンにバッジ(赤背景の数字)がつくなどして、様々な方法で通知がくると思います。
当然と言えば当然なんですが、通知って伝わってほしいものなので、UI的にも気になるように設計されてます。

slackの場合、@個人名 や @hereなど「メンション」をつけてコメントを書くと相手に通知が行きます。slackの通知は設定にもよりますが、音が鳴ったり、バッジがついたり、デスクトップの右側からぴょこんとメッセージが出てきたりします。

余談ですが、メンションをつけなくても何かしら新しい投稿がチャンネル、またはスレッドにあるとその文字のところが太字になって「お前さん、確認してない重要なメッセージがあるかもしれないよ?」としおらしく控えめに主張してきたりします。これは通知というより「未読」という感じですが、これも全部見なければ気が済まないという人も結構います。(私もそのうちの一人です。)

話が逸れました。

この通知なんですが、自分に関係なさそうなものがバンバンくるとうざいですよね。私はうざいです。

なので、必要な人に送りたいと思って一生懸命考えますが、前述の通り知らないものは知らないので考えても聞く相手がわかりません。

そこで @here です。@here をコメントにつけるとそのチャンネルに属している人みんなに通知が行きます。
対面コミュニケーションに置き換えると、複数人に聞こえる声で「ちょっとこの件知ってる人いますか?」って聞いてる感じです。

しかしこの @here 、 投稿するチャンネルを間違えるとえらいことになる諸刃の剣です。
全然別のチャンネルで聞いてしまった場合は「違うチームの島に行ってよくわからんことを聞いてくる変なやつ」化してしまいますし、聞く相手はいるにはいたけど投稿するチャンネルが大きかった場合、職場全体に聞こえる声で「だーれーかーしってるひといーまーすーかー!?」って聞いてるような感じになります。

使い方をミスるとやばそうじゃないですか?
さらに前述の「誰に聞いても良さそうなこと」で @hereをつけられたらもうなんやねんこいつってなりますよね。

図解するとこんな感じです。
真ん中の緑は要望で、両方とも満たしたいことですが、右の手段を取ると対角の要望が満たせなくなってしまうという意味で対立構造になっています。(@個人名でメンションすると知っている人に確実に質問できない、@hereでメンションすると質問相手への影響を極小化できない)

そんなこんなで気軽に質問がしづらいです。

2. 疑問解消までの時間、マルチタスクになる

「誰に聞けば良いか」の壁を超えて、うまく構ってくれる人を見つけたとします。
するとそこには次の壁が待ち受けています。

仕事をする上での天敵、そうですマルチタスクです。
うちではslackは大体の人がアプリで入れていて起動しっぱなし(常駐)にしています。
なので通知がきたら大体気づきますし、slackを開いて見ていれば未読なども気づけます。
ただ、気づくというのと即レスするかというのは別の話で、受け取った側で別の優先事項があればレスまでにタイムラグが発生します。
slack(というかチャットアプリ)というのはどこまで行っても所詮非同期コミュニケーションなのです。

したがって以下のようなことが発生します。

  • やっと質問したぞ!(ドキドキ)
  • 質問したのになかなか回答が来ない
  • 聞く場所間違えたかな、変な聞き方しちゃったかな
  • まぁいいか、とりあえず回答が来るまで別の作業をしよう
  • 回答きたかな?きてない
  • 回答きたかな?きてない
  • お、回答きてるぞ、よかった。
  • ふむふむ。ん?追加でわかんないところでてきた。もう一回聞こう
  • あれ、何やってたっけさっきまで
  • あ、次打ち合わせだ
  • あれ、何やってたっけさっきまで(2回目)
  • あ、この作業やってたんだ、ん?slackの未読がたくさんだ
  • そういえばこの質問投げてたな、回答きてるぞ。
  • ふむふむ。ん?追加でわかんないとk(以下ループ)

これ、質問投げてたり、質問投げられたやつに回答してたりとか複数絡んだりすると1日絶望的に仕事が進まなかったりします。

また、「1. 誰に聞けばいいのかわからない」と繋げて考えると、スレッドの最初の方で@hereや、複数人へメンションしたスレッドでやりとりを続けると次の日まで関係ない人に未読の通知がで続け、劇的にうざい状況に陥ったりします。

そういうことがあって、指摘されたりして、質問、なんか怖いなぁって思うようになりました。

相談しづらい

「質問」はどちらかといえばしづらい中でもなんとかしているのですが、「相談」はほぼできていませんでした。
ここでいう「相談」というのは「まだゆるゆるの状態で、どう考えていけばいいか、考えあぐねている」みたいな時の話です。

うちのslackでのやり取りって「報告」「連絡」「確認」「依頼」がほとんどな気がしています。
それぞれこんな感じの内容です。

  • 報告:xxの進捗こんな状況です。xx動いた(動かない)です。
  • 連絡:xxはこんな感じです。xxという情報もらいまいした。
  • 確認:xxあってますか?xxしてもいいですか?
  • 依頼:xxお願いします。xx日までにやってください。

言葉はもっとくだけているのですが、ローコンテクストと言いますか、ビジネスライクと言いますか、8割程度の考え・資料ができた後じゃないとコミュニケーションできない雰囲気を感じています。

考えが固まる以前のゆるゆるの時に、壁打ち的に話し相手になってほしい時、わざわざ時間調整してzoom会議しなくないですか?チャットでメンション飛ばしてテキストベースでリアルタイムに相談しますか?どちらも私には心理的ハードルが高く感じられます。

もともと雑談って好きじゃないんですが、対面だと「最近どう?」「今何してるの?」みたいな会話から自然に悩んでいることの話に付き合ってもらえるようなコミニュケーションが取れていたのですが、オンラインだとなかなか難しいです。

仮説思考で考えてから「確認」みたいな感じで持ってくればという意見もあると思いますし、実際そうだとも思います。
ただ、内容によっては情報や視点が足りなささすぎて仮説を考えることができないということもあると思っていて、そういったやったことのない新しいことで、誰かと話しながら考えを深めていきたいという要望ってないですかね?私はよくあるんですが。

まぁ、そういうのがやりづらいなぁと感じていることです。

ちなみにうちでは分報([time_名前]のチャンネル、何を書いても自由、何をやっているか、考え事、悩み、気づきなどを書く)を取り入れていて、ここに呟いていると運が良ければ誰かがレスをくれたりはします。ただ、ゆるゆるな考えを深めるようなコミュニケーションが生まれたりは、私の観測上はしていませんでした。

原因

これらのつらさの原因は「心理的安全」界隈で議論されているようなことにも答えがありそうですが、今回はツールの特性から原因を考えてみました。

リアルタイム性

「2. 疑問解消までの時間、マルチタスクになる」なんかはモロにそうですが、本来リアルタイムに行うべきコミュニケーションを、タイムラグがあるツールを用いることで問題が起こっています。

オンラインコミュニケーションの分類図があったので引用します(《働きやすさ》を考える メディアが自ら実践する「未来のチーム」の作り方)。
slackはこの図で言えば右の上下中央にある「グループウェア/ビジネスチャット」に分類されますが、リアルタイムとタイムラグの間くらいに位置しています。
使う人や話題、タイミングによってどちらにも転ぶという意味で中央に位置しているのだと思いますが、私はslackの本質は非同期コミュニケーションだと考えます。

情報が全く足りていない時、考えがゆるゆるな時というのは質問や相談内容が的確でなかったりします。また、会話の途中で新たな質問や問題提起が発生したりします。こういったものはリアルタイムにコミュニケーションを取れるツールを使うべきですが、「slackでもやれるから」となんでもslackでやってしまうとよくないかなという感じです。

シリアス・ファンな場の欠如

ではリアルタイムにコミュニケーションが取れるzoomを使えばいいんでしょ?とはなりません。
以下の図をご覧ください。

これは話の内容(縦軸)と雰囲気(横軸)で象限を作り、代表的なオンラインコミュニケーションツールをマッピングしたものです。見ていただくとわかりますが、Zoomとslackは同じくらいの位置にあります。

あくまで私たちの運用ではということですが、Zoomは割とお硬い話をするツールという位置付けです。目的を設定してアジェンダを用意して、必要なメンバーに声をかけて開催する。Web会議ツールという名前の通りですね。

また、図の右下に目線を移動していただくと「???」とあり、具体的なツール名が入っていない部分があります。

右下の象限は「シリアス・ファン(Serious Fun)」と呼べる部分で、「ダイアローグ 対話する組織(中原淳著)」によると「対話」の条件と合致します。ちなみに右上は「雑談」で左下は「議論」です。(左上の硬い雰囲気で戯れの内容を話すというのはどういうものでしょうかね?)

「相談しづらい」辛さはこの領域に属するツールがないから起こっていると私は考えます。
もっというと、右上の雑談から右下の対話(シリアス・ファン)につなげる機能を持ったツールがない、またはないと思い込んでいることが原因だと考えます。

もちろんZoomはただのツールなので使い方次第でこの領域に対応することも可能でしょう。
「質問しづらい」の「2. 疑問解消までの時間、マルチタスクになる」は、担当者が判明した後改めてZoomのミーティングをセッティングしてしっかりヒアリングすることで解消できそうです。
「相談しづらい」に関しても、「まだゆるゆる状態なんだけどちょっと会話できませんか?」と場をセッティングすることで対処可能でしょう。

しかし、これを実現するにはいくつかステップを踏む必要があると考えます。

前編はここまでで、後編ではこれを実現する具体的な対策とそのステップについて記載したいと思います。

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WRITER
Yoshitsugu Miyazaki

データサイエンティスト / ディレクター

宮崎   義継 Yoshitsugu Miyazaki

大手生保系SIer、TOCによるマネジメント変革、Windsurfing labプロジェクトでの組み込み開発及び事業開発を経て2019年11月より富士通クラウドテクノロジーズに入社。データ活用サービスの構築及び企画を担当。

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